マクログロブリン血症とクリオグロブリン血症の違いを教えてください。
マクログロブリン血症は腫瘍性、クリオグロブリン血症は炎症性疾患です。
マクログロブリン血症とクリオグロブリン血症は、いずれも異常免疫グロブリンの関与する疾患ですが、マクログロブリン血症は腫瘍性疾患が本態であり、クリオグロブリン血症は免疫複合体による炎症性疾患である点が最大の違いです。
マクログロブリン血症は、主にIgM型の同一の免疫グロブリンが血中で過剰に産生される状態で、特に原発性マクログロブリン血症(Waldenströmマクログロブリン血症)は、B細胞系リンパ腫のひとつとして位置付けられます。骨髄浸潤やIgMの過剰による高粘稠度症候群、末梢神経障害などが臨床的に重要です。
一方、クリオグロブリン血症は、血液が低温で免疫グロブリン(主にIgMやIgG)が沈殿し、もう一度加温したときに溶解する現象を示す疾患群です。腎炎、皮膚紫斑、関節痛などの症状を引き起こす血管炎症候群として知られ、HCV感染など二次性に発症するものも多くみられます。
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
日本血液学会.ホーム|造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版).一般社団法人 日本血液学会,http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/2_3.html#soron(参照 2025-06-19)
渡部 R.原発性マクログロブリン血症 | 症状、診断・治療方針まで.今日の臨床サポート,https://clinicalsup.jp/jpoc/contentpage.aspx?diseaseid=1167(参照 2025-06-19)
日本皮膚科学会ガイドライン.“皮膚血管炎・血管障害診療ガイドライン 2023 ―IgA 血管炎,クリオグロブリン血症性血管炎,結節性多発動脈炎,リベド様血管症の治療の手引き 2023―”.日本皮膚科学会.https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/hifukekkannenn2023.pdf,(参照 2025-06-19).
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