半月板損傷のリハビリはどのように進めればよいですか?

歩行練習、筋力強化、関節運動訓練などを段階的に進めていきます。

解説

半月板損傷のリハビリは、損傷の部位や程度、そして個々の患者さんの状況によって異なります。このため、医師や理学療法士に十分に確認しながら進める必要があります。

一般的に行われるリハビリテーションの方法には、以下のようなものがあります。

1. 保存療法(手術なし)のリハビリテーション

手術をしない場合のリハビリは、主に痛みや腫れの軽減、関節可動域の回復、筋力の維持・向上、そして日常生活やスポーツへの復帰を目指します。

急性期

  • 荷重制限: 必要に応じて松葉杖を使用し、患部への負担を減らします。
  • 痛みのない範囲での関節可動域訓練: 膝の曲げ伸ばしをゆっくり行います。痛みを伴う動作や、半月板に負担のかかる深い曲げ伸ばしは避けます。
  • 筋力維持訓練(等尺性運動): 関節を動かさずに筋肉に力を入れる運動。

回復期

  • 関節可動域の改善: 徐々に可動域を広げていきます。
  • 筋力強化訓練: 特に大腿四頭筋の強化は、膝の安定性にとって非常に重要です。
  • 低負荷の有酸素運動:膝への負担が少ない運動から開始します。
  • 段階的なスポーツ活動への復帰:徐々に練習強度や時間を増やしていきます。

2. 手術後のリハビリテーション

手術後のリハビリは、手術方法によって内容や進め方が大きく異なります。特に縫合術の場合は、縫合した半月板が治癒するまでの慎重なリハビリが重要です。

術後早期(術後~1、2カ月~)

  • 荷重制限: 手術方法(特に縫合術)に応じて、松葉杖での荷重制限が設けられます。
  • 関節可動域訓練:慎重に膝の曲げ伸ばしを行います。縫合術後は特に可動域制限が設けられることが多いです。
  • 筋力維持訓練(等尺性運動): 保存療法と同様に行います。

回復期(1、2カ月~)

  • 荷重歩行: 医師の許可のもと、徐々に体重をかけていきます。
  • 関節可動域の拡大: 制限が解除されれば、徐々に膝の曲げ伸ばしを正常範囲に近づけます。
  • 低負荷の有酸素運動:膝への負担が少ない運動から開始します。
  • 段階的なスポーツ活動への復帰: 徐々に練習強度や時間を増やしていきます。

切除術よりも縫合術のほうが、スポーツ復帰までの期間は長くなる傾向があります。

公開日

最終更新日

山田記念病院 整形外科 整形外科部長

濱畑 智弘 監修

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