視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)は完治しますか?
今のところ完治しませんが、適切な治療を受けることで、症状を緩和し、再発を予防することができます。
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)は今のところ完治する方法はありませんが、適切な治療を受けることで症状を緩和し、再発を予防することができます。
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)は、視覚に関係する視神経や、運動、感覚に関係する脊髄の神経に繰り返し炎症が現れる病気です。一般的には再発率の高い疾患であり、60~98%の患者さんが再発を経験すると報告されています。
具体的な再発予防策としては以下のようなものが挙げられます。
薬物治療
低容量のステロイド
- モノクローナル抗体製剤(エクリズマブ(ソリリスⓇ))
- ラブリズマブ(ユルトミリスⓇ)
- サトラリズマブ(エンスプリングⓇ)
- イネビリズマブ(ユプリズナⓇ)
免疫抑制剤
- アザチオプリン
- ミコフェノール酸
- メトトレキサート
などを継続して使用することで、再発率を抑えることができます。
免疫抑制剤を使用する場合は、感染症のリスクが高くなります。こまめに手を洗うなどの感染症予防策を講じるようにしましょう。
健康的な生活習慣の確立
ストレスや睡眠不足は、視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)のきっかけとなります。健康的な食生活や定期的な運動、十分な睡眠を維持することで、心身の健康を保ち、視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)のリスクを減らすことができます。
定期的な医療機関への受診
治療法や日々の生活を見直すために、定期的に医療機関を受診するようにしましょう。また、定期的な受診により、再発の早期発見・早期治療が期待できます。
重症化を防ぎ、後遺症を最小限に抑えるためにも、定期的な受診を心がけるようにしましょう。
公開日:
最終更新日:
東京頭痛クリニック 脳神経内科
越智 佳奈 監修
(参考文献)
MAYO CLINIC.“Neuromyelitis optica”.MAYO CLINIC.https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/neuromyelitis-optica/diagnosis-treatment/drc-20375655,(参照 1899-12-30).
X. Ma, et al. Mult Scler Relat Disord. 2020, 46, 102522.
Neuromyelitis Optica (NMO): What It Is, Symptoms & Treatment.Cleveland Clinic,https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/9858-neuromyelitis-optica-nmo(参照 2024-11-12)
日本神経学会. 多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017 8 章 経過・予後. 医学書院. 2017
. 多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン 2023 . 医学書院. 2023
桑原,ほか.多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13).難病情報センター,https://www.nanbyou.or.jp/entry/3807(参照 2024-11-12)
. 視神経脊髄炎スペクトラム障害. 日本内科学会雑誌. 2021, 110, 1568-1574.
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視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)は、治る可能性はありますか?
根治療法はありません。再発を防ぐ治療をしていきます。
抗AQP4抗体とはなんですか?
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)の原因となる、誤って自分を攻撃してしまう自己抗体です。
ウートフ現象(ウートフ徴候)はどのような症状ですか? 起こさないための工夫はありますか?
体温の上昇により症状が悪化する現象です。体温の上昇を防ぐようにしましょう。
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)治療の副作用として、抜け毛がみられた場合の対処法はありますか?
受診し、主治医に相談しましょう。
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)のリハビリは、どのように行いますか?
理学療法、作業療法、言語聴覚療法、心理療法など、あらゆるリハビリを組み合わせて行います。
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)の後遺症に、しびれはありますか? しびれが出た場合の対処法はありますか?
はい、あります。新たにしびれが出た場合は、受診して主治医に相談してください。
「ステロイドパルス療法」「免疫グロブリン療法」「血漿浄化療法」とは、それぞれどのような治療法ですか?
ステロイドパルス療法は、免疫機能を抑えます。免疫グロブリン療法は詳細な機序はわかっていませんが、異常な抗体の作用を抑えます。血液浄化療法では、血液中の異常な抗体を取り除きます。
「視神経脊髄炎」とはどのような病気ですか?
視覚情報を伝える視神経が炎症を起こす病気です。脊髄神経にも影響し、うでや足にも症状が生じます。
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)の原因は何がありますか?
免疫機能の異常が原因で、視神経や脊髄が誤って攻撃を受けることで起こると考えられています。
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)ではどのような症状がありますか?
見えにくさ、手足の麻痺、感覚障害、排泄がうまくできないなどの症状が起こります。
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