直腸がんの手術後の後遺症には何がありますか?

手術の方法等により異なりますが、術後に腸閉塞や排尿・排便障害が起こる可能性があります。

解説

直腸がんの手術後に起こる症状としては、以下のようなものが挙げられます。

など
がんの部位や手術の種類、さらに患者さんの状態により、術後どのような症状が起こるかはさまざまです。不安な点がありましたら、医師にご相談ください。

縫合不全

腸管を縫い合わせたつなぎ目から腸の内容物が漏れることで周囲に炎症が起こり、腹膜炎が発症して発熱腹痛などが生じることがあります。炎症が軽い場合は食事の中止や点滴で治ることもありますが、腹膜炎の場合は命にかかわることがあり、多くは再手術が必要となります。

腸閉塞

腸の炎症により部分的に癒着し、腸管の通りが悪くなる状態です。便やガスが出づらくなるため、腹痛や嘔吐、嘔気などの症状が現れます。多くの場合は食事の中止や消化管にチューブを入れて腸液などを出すことで回復しますが、場合によって手術が必要となることがあります。

排尿障害

手術によっては、排尿を調節している神経が影響を受けることがあり、尿意を感じなくなったり排尿してもすっきりしないといった症状が現れることがあります。薬で改善することが多いですが、場合によってはカテーテルによる導尿が必要となります。

排便障害

腸を切った影響や癒着によって排便が不規則になったり、下痢便秘、ガスが出にくくなるなどの症状が現れることがあります。特に、直腸がんの手術後には1日に何度も便意を感じることがあります。水分摂取や緩下剤の服用で対応し、多くの場合は数ヶ月から数年かけて徐々に落ち着いてきます。

公開日

最終更新日

医療法人財団コンフォート コンフォート豊平クリニック 内科 消化器科

石川 翔理 監修

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(参考文献)

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