骨粗鬆症の治療薬にはどのような副作用がありますか？

骨粗鬆症の薬にはいくつかの副作用の可能性があります。これは薬の種類によって異なります。

骨の吸収を抑える薬

多くの方が使用している薬です。胃腸症状を起こすことがあり、その予防のために「起きたらすぐにコップ1杯の水で飲み、30分は横になることと食事をとることを避ける」という飲み方が決まっています。
頻度は高くないものの注意するべき副作用に、「顎骨壊死（がっこつえし）」と「非定型骨折」があります。これは3年以上この薬を使用していると、起こる可能性が少しずつ増えてくるものです。
顎骨壊死とは、あごの骨が部分的に死んでしまい、腐ってしまう病気で、あごの痛みや腫れ、膿が出るなどの症状がみられます。一度起こすと治すのが難しい副作用です。口の中が不衛生な場合に起こりやすくなるため、口の中をきれいに保つよう定期的な歯科の受診がお勧めです。
非定型骨折とは、通常とは異なる形で骨折を起こすことです。太ももの骨でみられます。通常の骨折と比べ、軽い力でも折れてしまう、折れる場所が異なるなどの特徴があり、治るまでに非常に時間がかかる場合や、骨がつかなくなってしまう場合があります。
これらの副作用は、長期間の薬の使用で起こりやすくなります。骨折のリスクの高さを考慮しながら、薬の変更が検討されます。

骨が出来るのを促す薬

注射薬ですので、注射部位が赤くなったり腫れたりすることがあり、吐き気や頭痛、倦怠感などの副作用の報告もあります。
また、長期間の使用では骨の悪性腫瘍を起こすおそれがあるため、2年までしか使用することができません。このため、骨の腫瘍がある方や骨に腫瘍が転移している方、骨の周りに放射線治療を受けたことがある方は使用することができません。

骨にのみ女性ホルモンの働きを起こす薬

女性だけ使用することができます。比較的安全に長期間使用することができます。
頻度は高くありませんが、「深部静脈血栓症」という、足の静脈が血の固まりで詰まる副作用の報告があります。ほぼ座りっぱなしや寝たきりのような方は使用を避けましょう。

ビタミンＤ

骨でのカルシウムやリンによる強化を促します。
副作用として、体内のカルシウム量が増えすぎてしまうことや、便秘や気持ち悪さ、嘔吐、食欲低下などを起こすことがあります。放置してしまうと腎臓に障害が起こることがあり注意が必要です。水分をよくとるようにしましょう。