高プロラクチン血症の場合、体外受精はできますか？

高プロラクチン血症と診断された方でも、体外受精を行うことは可能です。ただし、多くの場合、体外受精を始める前に、まず高プロラクチン血症に対する治療を行います。

【なぜ治療が必要か】

プロラクチンは、血液中の濃度が高くなりすぎると、卵巣に作用して卵子の成長や排卵を妨げる働きがあります。これにより、自然妊娠が難しくなるだけでなく、体外受精のプロセスである「排卵誘発」（薬を使って複数の卵子を育てること）がうまくいかなくなったり、着床に適した子宮内膜が育ちにくくなる可能性があります。

【治療と体外受精の流れ】

不妊治療を専門とするクリニックや婦人科では、まず高プロラクチン血症の原因を調べます。原因が下垂体腫瘍（プロラクチノーマ）や薬剤の副作用などであれば、そちらの治療を優先することもあります。原因の治療と並行して、一般的には「カベルゴリン」などのドパミン作動薬という飲み薬を使って、血液中のプロラクチン値を正常範囲まで下げます。プロラクチン値が安定すれば、排卵やホルモンバランスが正常な状態に戻るため、その上で体外受精の各ステップ（排卵誘発、採卵、胚移植）に進むことができます。

プロラクチン値を正常化させることで、体外受精の成功率を高めることが期待できるため、まずは専門医と相談し、適切な治療計画を立てることが重要です。