「悪性中皮腫」の原因やなりやすい人の特徴には、何がありますか？

「悪性中皮腫」は、アスベスト（石綿）が主な原因であると考えられています。
アスベストを取り扱う職業に従事していた方のうち、約5%が悪性中皮腫を発症したという報告があります。欧米人を対象とした研究では、悪性中皮腫の患者さんのうち、男性の78〜88%、女性の23〜65%がアスベストの曝露が関係しているという報告もあります。

日本においては、アスベストを取り扱う職業に従事している方は、6ヶ月に一度、健康診断を受けることが法律で義務付けられています。
アスベストは、曝露後25〜50年の潜伏期間を経て悪性中皮腫を引き起こすと考えられています。したがって、過去にアスベストを取り扱う職業に従事していた方は、退職後も定期的に健康診断を受けることが推奨されます。
過去にアスベストを取り扱う職業に従事しており、離職の際や離職後の健康診断で、アスベストによる肺への障害が証明された方は、都道府県労働局に申請をすることで、健康管理手帳を受け取ることができます。この手帳を交付された方は、指定の医療機関で、定期的かつ無料で健康診断を受けることができます。

また、近年の研究では、遺伝子との関係も指摘されています。より効果的な治療を選択するために、がん遺伝子パネル検査を受けられる場合があります。検査については主治医の先生に確認してください。