てんかんに初期症状はある?てんかん
監修医師原瀬 翔平亀田総合病院 脳神経内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/08/24
てんかんと診断された人の受診データ(最初に気になった症状・診療科)
最初に気になった症状
受診した診療科
受診して「てんかん」と診断されたと回答した人が、症状チェックを始めたときに最も気になる症状として選んだものと、受診した診療科のデータ(自己申告、2021年1月〜2026年9月)です。医師による記録ではなく、世の中全体の割合でもありません。
※%は回答した人に占める割合です。
※回答が1,000人以上ある症状・病名のデータに限って掲載しています。
ユビーで症状チェックしたあと、受診して「てんかん」と診断されたと回答した人(自己申告)が、最も気になる症状として選んでいたのは、痙攣発作(17%)、意識消失発作(5%)、不随意運動(2%)などでした。
受診した診療科は、脳神経内科(24%)、脳神経外科(20%)、精神科(18%)の順でした。
ユビーなら無料で、症状に関連のある病気や診療科をチェックできます
てんかんとは
眼球上転とはなんですか?
眼球上転とは目が勝手に上を向いてしまう状態で、てんかん、脳炎や薬の影響で起こることがあります。
眼球上転とは、自分の意思とは関係なく、目が勝手に上を向いてしまう状態のことです。
これは、てんかん発作(症状)のひとつとしてみられることもあります。
そのほかに、脳炎(脳に炎症が起こる病気)、薬の影響(特に精神疾患の治療に使われる薬)、ヒステリー(ストレスなどでさまざまな身体症状が出る病気)などでみられることがあります。
もし、目が勝手に上を向いてしまう症状が出た場合は、すぐに病院を受診し、医師に相談することが大切です。
参考文献
日本てんかん学会ガイドライン作成委員会.“高齢者のてんかんに対する診断・治療ガイドライン”.日本てんかん学会.https://jes-jp.org/pdf/agedepilepsy.pdf?utmsource=chatgpt.com ,(参照 2025-05-14).日本神経学会.“てんかん診療ガイドライン2018”..https://neurology-jp.org/guidelinem/epgl/tenkan_2018_01.pdf,(参照 2025-05-14).
日本神経精神薬理学会ほか統合失調症薬物治療ガイドライン 2022. 医学書院2022
厚生労働省.“重篤副作用疾患別対応マニュアル 悪性症候群”..https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/12/dl/s1213-4f.pdf?utm_source=chatgpt.com,(参照 2025-05-14).
てんかん重積とはなんですか?
けいれん発作が長く続く、または短い発作が繰り返し起こり、その間に意識が戻らない状態のことを言います。
てんかん重積状態とは、けいれん発作が長く続く、または短い発作が繰り返し起こり、その間に意識が戻らない状態のことを言います。
一般的に、けいれんが5分以上続いた場合は、すぐに治療を始めるべきとされています。
また、動物実験では、発作が30分以上続くと脳にダメージを与え、後遺症が残る可能性があることが示されています。
そのため、長時間の発作は放置せず、早めの対応が大切です。
てんかん重積について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
「てんかん」とはどのような病気ですか?
てんかんは、脳の神経細胞において過剰な電気的興奮が起こることで、意識障害やけいれん、脱力などの発作が生じる病気です。
人間の脳は神経細胞の集まりでできています。その神経細胞同士は、いつも規則正しく互いに調和を保ちながら電気的に活動しています。この活動に乱れが生じ、過剰な電気的興奮が起こることで、さまざまな症状を起こす病気がてんかんです。症状はこの異常な電気的興奮に巻き込まれる脳の部位によって変わってきます。
てんかんの症状
てんかんには初期症状はありますか?
共通の初期症状はありません。
てんかんの患者さんに共通する初期症状はありません。
ただし、意識障害(呼びかけへの反応が悪いなど)を伴わない局所的な感覚障害/運動障害、口をもぐもぐさせる発作などがみられた後、意識消失し全身をけいれんさせる発作へ移行する場合があります。
てんかんではどのような症状がありますか?
症状は多岐にわたります。例えば、突然倒れ手足を伸ばす発作、手足の曲げ伸ばしを繰り返す発作などがあります。
てんかんは脳の神経細胞の異常な電気的興奮が原因で起こります。症状はこの興奮に巻き込まれる脳の部位によって変わるため、多岐にわたります。
もっともイメージしやすいのは、突然意識を失って倒れ、手足をギューっと伸ばす強直(きょうちょく)性発作、手足の曲げ伸ばしを繰り返す間代(かんたい)性発作、またその両方の見られる強直間代性発作かと考えます。しかし、それ以外にもさまざまな発作が起こり得ます。
例えば、食事中に本人のみ時が止まったように一点を見つめ意識を失い、発作が治ると何事もなかったかのように話し始めるような欠神(けっしん)発作、意識障害(呼びかけへの反応が悪いなど)を伴わない局所的な感覚障害・運動障害、口をもぐもぐさせる発作、けいれんを伴わない意識障害などがあります。
高齢者のてんかんの特徴を教えてください。
高齢者のてんかん発作は、ぼんやりしたり、動作が止まったりするような目立たない発作が多いのが特徴です。
高齢の方がてんかんを発症することがありますが、その主な原因として脳の病気(脳卒中や認知症など)が関係していることが多いです。
また、高齢者のてんかん発作は、体が激しくけいれんするものだけでなく、ぼんやりしたり、動作が止まったりするような目立たない発作が多いのが特徴です。
そのため、発作が起こったあとに、意識がはっきりしない状態が長く続くことがあり、時には数日間ぼんやりした様子が続くこともあります。
こうした症状は、高齢者によくみられる認知症や、一時的に血流が悪くなって起こる発作(TIA)と間違われやすいため、診断が遅れてしまうことがあります。
参考文献
てんかん対策.厚生労働省,https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000070789_00008.html(参照 2025-05-14)
日本てんかん学会ガイドライン作成委員会.“高齢者のてんかんに対する診断・治療ガイドライン”.日本てんかん学会.https://jes-jp.org/pdf/agedepilepsy.pdf?utmsource=chatgpt.com ,(参照 2025-05-14).
一瞬意識が飛ぶ症状は、てんかんの可能性はありますか?
てんかん発作の可能性があります。
てんかん発作である可能性があります。
てんかんの診断のためには、発作を起こす前後の様子や状況、発作のきっかけがあったか、発作の様子や持続時間、発作の頻度などが重要となります。
病院で医師から尋ねられると思いますので、目撃者がいる場合は話を聞いてから行く、一緒に受診するなどしましょう。
てんかん以外の病気である可能性もありますが、いずれにせよ、意識が飛ぶ症状がある際は、内科・脳神経内科・循環器内科の受診をおすすめします。
てんかんの原因
ストレスが原因でてんかんを起こすことはありますか?
てんかんのある人で、ストレスが発作を誘発することがあります。
ストレスが直接てんかんを起こす原因となることは稀ですが、既にてんかんを持っている人ではストレスが発作を引き起こすことがあると考えられており、喫煙、飲酒、睡眠不足などの生活上の問題により、治療をしていても発作が減らないこともあります。主治医と相談し、生活を見直しましょう。
また、心理的な問題が原因でてんかん類似の発作を起こすこともあります。
てんかんの原因は何がありますか?
原因はさまざまで、外傷、脳卒中、感染症、脳の形の異常などがあります。原因が不明なものもあります。
てんかんの原因はさまざまで、大きく特発性と二次性に分けられます。
特発性てんかん
MRIやCTなどの画像検査では特に原因のつかめないてんかんを特発性てんかんといいます。
二次性てんかん
以下のようなことがらが原因となって起こるてんかんを二次性てんかんといいます。
- 外傷
- 脳卒中(脳梗塞や脳出血など)
- 感染症(髄膜炎や脳炎など)
- 生まれつきの脳の形態異常
など
特に二次性てんかんの場合は、発作を繰り返すことが多いと考えられています。
遺伝的素因も考えられていますが、てんかん全体に占める割合は大きくはないため、心配しすぎず、専門家の意見を聞いてみましょう。
てんかんの治療・対処法
てんかんは治りますか?
てんかんは治る人もいます。また、適切な治療で、多くの人が発作を抑え、普段の生活を送ることができます。
てんかんは、治る人もいます。ただし、てんかんの種類などによって経過は異なります。
また、適切な治療を受けることで、多くの人が発作を抑え、普段の生活を送ることができる病気です。
治療の中心となるのは「抗てんかん薬」と呼ばれる飲み薬で、これを続けることで発作の回数を減らしたり、症状を軽くしたりすることができます。
厚生労働省によると、この薬を飲み続けることで、多くの人の発作がコントロールされ、さらに、一部の人は数年後に薬をやめても発作が起こらなくなることがあるとされています。
ただし、薬だけでは発作を十分に抑えられない場合もあります。
そのようなときは、手術で発作の原因となる部分を取り除いたり、特定の食事療法を取り入れたり、神経に刺激を与える治療(迷走神経刺激術)を行ったりすることが考えられます。
こうした治療によって、発作が軽くなったり、頻度が減ったりすることもあります。
てんかんの場合、主にどのような治療をしますか?
抗てんかん薬の服用により、発作を抑制します。抗てんかん薬で治りにくい場合は外科的治療も検討します。
脳波検査で異常が見られた場合や発作が2回以上起きている場合、てんかんの治療を開始します。
てんかん治療の中心は薬物治療ですが、外科治療を行う場合もあります。
薬物治療
てんかんの治療薬にはバルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギンなどさまざまな種類があります。薬によって作用機序や副作用が異なるため、症状や患者さんと薬の相性に合わせて使い分けます。
薬は点滴する場合や内服する場合があり、病気の状態によっては入院が必要なこともあります。状態が安定すれば、外来通院で薬の内服を継続します。薬の服用は生涯続けなくてはいけない場合と、途中で終了できる場合とがあります。
外科治療
CTやMRIで原因となる病気がわかる場合など、一部のてんかんでは外科治療を行います。具体的な手術の内容は場合によって異なります。
治療の内容や進め方は患者さんによって異なるため、主治医とよく相談しましょう。
受診の目安・何科を受診するべきか
てんかんが疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?
てんかんを疑う症状がある場合、精神科・脳神経内科・脳外科を受診しましょう。
てんかんは早期診断・早期治療が望ましいため、少しでもてんかんを疑う症状がある場合は精神科・脳神経内科・脳外科のある病院を受診しましょう。治療が遅れると、後遺症が残ることもあります。
てんかんの症状としては意識消失やけいれんのほか、口をもぐもぐする動きや一時的に記憶が飛ぶようなことが挙げられます。
てんかんの症状やセルフチェックについては以下の解説をご確認ください。
てんかんの薬
てんかんにCBDは効果がありますか?
CBDは、薬剤抵抗性てんかんに対する新たな治療法として期待されています。
CBD(カンナビジオール)は、大麻(カンナビス)植物に含まれる成分のひとつです。 THC(テトラヒドロカンナビノール)のような精神作用がないため、適切に使用されれば安全とされています。
特に小児の「難治性てんかん」 と呼ばれる通常の抗てんかん薬が効きにくいタイプのてんかんに対して、CBDが治療の選択肢として注目されています。
代表的なものに 「ドラベ症候群」や「レノックス・ガストー症候群」 があり、これらに対してCBDが含まれる医薬品がアメリカや一部の国で承認されています。
神経細胞の興奮を抑えたり、炎症を和らげたりすることで、発作の頻度や重症度が軽減されることが期待されますが、効果には個人差があります。
主な副作用として眠気、食欲低下、下痢、肝機能への影響(特に他の薬と併用する場合)などが起こりえます。
現在日本ではCBDを含む医薬品は未承認ですが、研究や臨床試験が進んでいます。
健康食品やサプリメントとしてのCBD製品は市場に出回っていますが、医薬品のような効果が保証されているわけではありません。
CBDについて関心がある場合は、必ず医療機関で専門医に相談してください。
参考文献
山本 仁ほか. 大麻由来医薬品による薬剤抵抗性てんかんに対する治療の課題と展望. 日本臨床薬理学会学術総会抄録集. 2023, , .
Serena Silvestroほか. Use of Cannabidiol in the Treatment of Epilepsy: Efficacy and Security in Clinical Trials. Molecules. 2019, 24, .
Guilherme Diogo Silvaほか. Cannabidiol in the Treatment of Epilepsy: A Focused Review of Evidence and Gaps. Front Neurol. 2020, 11, .
てんかんの経過・予後
てんかんは余命に影響しますか?
突然死などのリスクがあるといわれており、早期診断・早期治療が大切です。
症状や発作の抑制度合いによる部分があるため、一概には言えません。しかし、20年間診療した慢性てんかん患者の死亡率は、一般人口の2.05倍であったとの報告があります。また、てんかん以外に死亡の原因の見つからない突然死があり、この死亡率は一般人口の24倍とも言われます。早めに発作を抑えることがこれらのリスクを下げると考えられており、早期診断・早期治療が大切と言えるでしょう。
てんかんに関連するその他の質問
てんかんでひどい頭痛がみられることはありますか?
てんかんの患者さんに頭痛がみられることはあります。
発作の前に起こる頭痛、発作の最中に起こる頭痛、発作が終わったあとに起こる頭痛など「てんかん発作関連頭痛」というものがあります。
一方、てんかん患者さんの発作間欠期(発作のないタイミング)に起こる頭痛は、てんかんとは直接関係がない慢性的な頭痛の併存と考えられています。
てんかんと頭痛の関係についての研究が進められていますが、いまだ完全には解明されていません。そのため、頭痛の種類やタイミングを把握し、医師に相談することが大切です。
てんかんで言葉が出ないことはありますか?
てんかん発作の中には、言葉が出にくくなる、または話せなくなるといった言語症状が現れることがあります。
てんかん発作の中には、言葉が出にくくなる、または話せなくなるといった言語症状が現れることがあります。これは、発作が脳の言語を司る領域に影響を及ぼすためです。
具体的には、発作中に突然言葉が出なくなる「発作性失語」や、言葉の理解や表現が一時的に困難になる症状が報告されています。
これらの症状は、発作が収まると通常は回復しますが、頻繁に起こる場合は日常生活に支障をきたすことがあります。そのため、適切な診断と治療が重要です。
てんかんで吐き気がみられることはありますか?
吐き気がみられることがあります。
てんかんの自律神経症状のひとつとして、吐き気や嘔吐といった症状があります。
てんかん発作と自律神経は密接に関係しており、自律神経に関わる領域に影響を与えると、さまざまな症状が現れることがあります。
例えば、吐き気や嘔吐以外にも発作の合間に、
- 頻呼吸や無呼吸
- 頻脈や徐脈
- 高血圧や低血圧
- 上腹部の不快感
- つばの増加
- 汗や体毛が立つ
といった自律神経症状を示すことがあります。
これらの症状が強く現れる場合、それを自律神経発作と呼びます。
てんかんで感情障害はみられますか?
うつ病などの感情障害がみられることがあります。
てんかんのある方は、精神的な症状を合併することがよくあります。これらの症状は多岐にわたり、生活の質(QOL)を大きく低下させる大きな課題となっています。
統計によると、てんかんのある方の約24~55%がなんらかの精神的な障害を持っていると言われています。
特に「うつ病」は、てんかんのある方の20~30%にみられ、発作が治りにくい「難治てんかん」の場合はさらに頻度が高くなります。
また、「精神病性障害」と呼ばれる症状が出る割合も、てんかんのない人に比べて2~3倍高いとされています。
これらの精神症状の原因にはいくつかの背景があります。例えば、てんかんによる社会的な偏見や差別、発作への不安、日常生活での制限、人間関係の難しさ、薬を飲み続ける負担などが挙げられます。
これらの心理的・社会的な要因がストレスとなり、精神的な症状を引き起こす場合があります。
てんかん発作時はどのように対応すれば良いですか?
安全な場所に移動させ、体を横に向かせたり、呼吸しやすいよう衣服を緩めたりしてください。
てんかんの発作時は意識を失っていることや体がうまく動かないことが多いでしょう。安全な場所へ移動させ、例えば入浴中などであれば呼吸ができるようにお湯を抜くなどの対処をし、衣服を緩め、落ち着いて経過をみてください。発作は1〜2分で落ち着くことが多いですが、それ以上、特に5分以上続いたり、発作が治ってもまたすぐに発作を起こすような場合や、意識障害(呼びかけへの反応が悪いなど)が20分程度以上続いている場合は病院を受診しましょう。
てんかん発作時にしてはいけないことはありますか?
窒息や怪我の恐れがあるため、口に物や指を入れてはいけません。体を無理に抑えつけることなども避けてください。
舌を噛まないようにと無理やり口に物を入れたり、指を入れたりしないようにしましょう。かえって口の中を傷つけたり、嘔吐や窒息につながります。また、揺さぶったり押さえつけたりせず、安全な場所で落ち着いて見守りましょう。
発作の様子(時刻や発作のきっかけ、けいれんの部位、発作の続いた時間など)は診断や治療にとって重要な情報となるため、よく観察して記録しておくことも大切です。
てんかんと自律神経発作の違いはなんですか?
てんかんは脳の異常が原因で発作が起き、自律神経発作は自律神経の乱れが原因で症状が現れるという違いがあります。
てんかんと自律神経発作は、どちらも発作的な症状が現れますが、その原因と症状は異なります。
まず、てんかんは、脳の神経細胞が異常に電気的な活動を起こすことで、発作が繰り返し起こる病気です。
てんかん発作は、運動神経、感覚神経、意識、高次脳機能などに影響を与え、意識を失ったり、体がけいれんしたりすることがあります。脳内での異常な電気信号が引き金となり、さまざまな神経系の働きが乱れます。
一方、自律神経発作は、自律神経の異常によって起こります。
自律神経は、心拍数や呼吸、血圧などを調整していますが、この調整がうまくいかなくなることで、頻呼吸、無呼吸、心拍数の変動、血圧の変動、吐き気や嘔吐、汗をかくなどの症状が現れます。
これらは体の自律的な反応の乱れによるもので、強く現れる場合に「自律神経発作」と呼ばれます。
てんかんの人の顔に特徴はありますか?
発作が起きたときに、顔にいくつかの変化が見られることがあります。
てんかんのある人の顔つきに特別な特徴はありません。ただし、発作が起きたときには、顔にいくつかの変化が見られることがあります。
例えば、発作中に顔や片方の腕がピクピクとけいれんしたり、一時的に動かしにくくなることがあります。
また、急にぼんやりして反応がなくなったり、数秒間一点を見つめるような状態になることもあります。
これらの症状は、発作のタイプや個人によって異なります。
発作時の具体的な症状が気になる場合は、医師に相談することが大切です。
大人が突然てんかんになることはありますか?
大人でも、さまざまな理由で突然てんかんを発症することがあります。
てんかんは乳幼児から高齢者まで、どの年代でも起こる病気です。
特に、頭を強く打ったり(頭部外傷)、脳卒中を起こしたり、脳の感染症にかかったりすると、てんかんになることがあります。
また、認知症の影響で発症する場合もあります。さらに、一部の薬の副作用で発作が起こることもあります。
このように、大人でもさまざまな原因で、突然てんかんになる可能性があるため、気になる症状があれば、早めに医師に相談することが大切です。
ローランドてんかんやミオクロニーてんかんなど、てんかんの種類について教えてください。
ローランドてんかん、ミオクロニーてんかんは、てんかん発作を主症状とする脳の病気の名前です。
ローランドてんかん、ミオクロニーてんかんは、てんかん発作を主症状とする脳の病気の名前です。
このようにてんかんを主症状とする病気は、てんかん/てんかん症候群と言われ、その中には、それぞれ、病因、てんかんの発作タイプや症状、発症年齢などの特徴で分類されます。
病因には、
- 素因性
- 構造的
- 感染性
- 免疫性
- 発達性
- 代謝性
- 原因不明(特発性)
などがあります。
てんかん発作のタイプや症状はさまざまですが、大きく分けると「焦点発作(部分発作)」と「全般発作」の2種類があります。
焦点発作は、異常が起こる部位によって、体の一部分がけいれんしたり、感覚が変わったりすることがあります。
全般発作は、多くの場合、意識を失ったり、全身がけいれんすることが特徴です。
そのほかに、全般焦点合併てんかん(焦点発作と全般発作の混合したもの)、病型不明てんかん(発作の起始がよくわからない起始不明発作を起こすてんかん)があります。
また、発症年齢によって、いくつか分けられます。
- 乳幼児期発症(2歳以下)
- 小児期発症(2~12歳)
- さまざまな年齢に発症
などです。
このように、それぞれの特徴によって、てんかん/てんかん症候群として分類されます。
例えば、ローランドてんかんは、原因不明(特発性)で、主に小児期に発症するてんかんで、特に睡眠中や朝目が覚めた直後に、顔面や口の回りの片側がぴくつく焦点発作が起こりやすいのが特徴です。
ミオクロニーてんかんは、
- 乳児ミオクロニーてんかん
- ミオクロニー欠神発作を伴うてんかん
- 若年ミオクロニーてんかん
- 進行性ミオクロニーてんかん
などがあります。
これらは、それぞれ発症年齢や病因が異なりますが、ミオクロニー発作という、全身が突然びくっとする全般発作が発症するてんかんです。
てんかん発作のタイプや症状について詳しく知りたい方は、かかりつけ医に相談しましょう。
参考文献
平野 嘉子ほか. 若年性ミオクロニーてんかんにおける治療抵抗因子の検討. 臨床神経学. 2008, 48, 727-732.
日本神経学会.“てんかん診療ガイドライン2018”..https://neurology-jp.org/guidelinem/epgl/tenkan201801.pdf,(参照 2025-05-14).
川上 康彦. 小児てんかん. 日本医科大学医学会雑誌. 2022, 18, 333-338.
日本てんかん学会用語委員会.“てんかん学用語集”.日本てんかん学会.https://jes-jp.org/pdf/eplilepsy_word20220105.pdf,(参照 2025-05-14).
てんかんは親のせいなのですか?
てんかんは、親のせいで起こる病気ではありません。
てんかんは、脳の働きに異常が生じることで発症するもので、その原因はさまざまです。
例えば、一部のてんかんは遺伝の影響を受けることがありますが、親がてんかんだからといって、必ず子どもに受け継がれるわけではありません。
また、頭を強く打ったり、脳卒中になったり、脳の病気にかかることで、大人になってからてんかんを発症することもあります。
このように、てんかんはさまざまな要因で起こる病気であり、親の育て方が原因になるわけではありません。
もし、心配なことがあれば、専門の医師に相談するとよいでしょう。
てんかん発作を誘発する原因を教えてください。
薬の影響や発熱、強い光、ストレス、アルコール、睡眠不足など原因は人によってさまざまです。
てんかん発作を引き起こしやすくする原因はいくつかあり、以下のようなものが知られています。
1.薬の影響
一部の薬は、もともとてんかんを持っている人や、けいれんを起こしやすい人にとって、発作を誘発することがあります。
2.発熱やお風呂
特定の種類のてんかん(例:ドラベ症候群)では、高い熱が出たり、長時間お風呂に入ったりすることで発作が起こることがあります。
3.強い光や特定の模様
テレビやゲームの画面の光、または特定の模様を見ることで発作が起こることがある人もいます。
4.ストレス
5.アルコール
6.睡眠不足
ただし、これらの原因は人によって違い、すべてのてんかん患者さんに当てはまるわけではありません。
どんなときに発作が起こりやすいのかを知り、医師と相談しながら対策をとることが大切です。
てんかんになりやすい人はいますか?
赤ちゃんや高齢の方、脳の病気がある人は、てんかんになることが比較的多いと報告されています。
てんかんは、脳の神経の働きが一時的に乱れることで起こる病気です。
誰でも発症する可能性がありますが、特に発症しやすい人がいることがわかっています。
例えば、赤ちゃんや高齢の方は、てんかんになることが比較的多いと報告されています。
また、頭を強く打つようなケガをした人や、脳の病気(脳卒中や認知症、感染症など)を持っている人は、てんかんを発症しやすくなります。
こうした要因を持っていると、てんかんになるリスクが高まりますが、必ず発症するわけではありません。
気になる症状がある場合は、早めに医師に相談することが大切です。
てんかんで障害者手帳はもらえますか?
てんかんのある方は、精神障害者保健福祉手帳を申請できることがあります。
精神障害者保健福祉手帳は、日常生活や社会生活を送るうえで、サポートが必要と判断された場合に交付されます。
手帳には1級から3級までの等級があり、発作の種類や回数、生活への影響の大きさによって決まります。
申請するには、最初に診断を受けてから6カ月以上が経過していることが条件となり、お住まいの市区町村の障害福祉課で手続きを行います。
手帳を取得すると、税金の控除や公共料金の割引などの支援を受けることができ、日常生活の負担を軽減する助けになります。
てんかんは遺伝しますか?
発症の原因は病気のタイプによって異なりますが、遺伝子の変化などが関係するケースもあります。
てんかんは、脳の神経の働きに乱れが生じ、一時的に発作が起こる病気です。
発作の原因はいろいろありますが、親から受け継ぐ遺伝的なものも、そのひとつと考えられています。
厚生労働省によると、てんかんの原因として、脳のつくりに問題がある場合や、体の中の代謝の異常、遺伝子の変化などが関係していることがあるとされています。
ただし、すべてのてんかんが遺伝するわけではありません。頭を強く打ったり、脳卒中を起こしたり、感染症にかかったりしたことがきっかけで発症する場合も多くあります。
そのため、てんかんが遺伝するかどうかは、一人ひとりの発症の原因や病気のタイプによって異なります。
てんかんの薬のやめどきを教えてください。
薬の終了については、一定期間発作が起こらない状態が続いたあとに、患者さん・患者家族が医師と十分に相談した上で判断されます。
てんかん治療の終了は、典型的には一定期間にわたり発作が起こらない状態が続いたあとに検討されますが、その時期に関する明確な決まりは確立されていません。
小児では予後のよいてんかん症候群が存在し、また、抗てんかん薬の長期服用による副作用回避のためにも治療終了のメリットは大きく、2年以上発作がなければ治療終了が検討されます。
一方で成人では発作再発リスクが小児よりも高く、就労、運転免許、挙児希望といった社会的要因への考慮も必要であり、治療終了時期はより慎重に検討されます。
治療終了時期の決定においては、治療終了に伴うメリットとリスクをよく主治医と相談し、てんかんの種類や治療経過、神経学的検査異常の有無などの臨床的要因に加えて、社会的、個人的な要因を踏まえて慎重に考慮する必要があります。
てんかんで障害年金は受け取れますか?
てんかんの方が障害年金を受け取ることは可能です。
障害年金は、病気や怪我によって生活や仕事に制限が生じた場合に支給される制度です。てんかんの場合、発作の頻度や生活への影響度に応じて、障害年金の支給が検討されます。
具体的には、てんかんの発作が頻繁で、日常生活や就労に支障をきたしている場合、障害年金の受給対象となる可能性があります。
ただし、受給の可否や支給額は、医師の診断書や生活状況などをもとに、年金機構が総合的に判断します。
障害年金の申請を検討される場合は、まず主治医と相談し、必要な書類や手続きについて確認することが重要です。
また、最寄りの社会保険事務所や年金事務所に相談することで、具体的な手続きや必要書類についての情報を得ることができます。
なお、障害年金の申請には一定の条件や手続きが必要ですので、専門家や関係機関と連携し、適切なサポートを受けることをおすすめします。
てんかんと貧血には関係がありますか?
抗てんかん薬の副作用で貧血になることがあります。また、貧血が発作の原因となっている可能性も示唆されています。
研究により、てんかんと貧血について、いくつかの重要な関連性が明らかになっています。
- 潜在的な発作原因としての貧血:貧血はさまざまなメカニズム(※)を通じて発作を引き起こす可能性があります。
※GABA抑制性神経伝達物質の減少、ニューロン代謝の変化、脳の酸素供給とエネルギー代謝の低下など
- 特定の貧血状況でのてんかん有病率上昇:鎌状赤血球貧血症や鉄欠乏性貧血で発作リスクの増加の報告があります。
- 抗てんかん薬の影響による貧血:多くの抗てんかん薬は副作用として軽度から重度の貧血を引き起こす可能性があります。
特定の抗てんかん薬の長期服用によっては、ビタミンB12や葉酸の減少により巨赤芽球性貧血を発生する可能性があります。
したがって、抗てんかん薬を服用している患者さんでは、定期的に血液検査を行うことが推奨されます。
交通事故でてんかんになることはありますか?
交通事故で頭部に衝撃を受けることで、てんかんが発症することがあります。
てんかんは、頭部外傷や脳血管障害などに続発する外因性てんかんと、特発性てんかんのように、脳の内部の問題が原因となる内因性てんかんに分類されます。
交通事故で頭部外傷が起きた場合、事故による脳へのダメージが引き金となり、てんかんを発症することがあります。
このタイプのてんかんは、外傷後てんかんとして知られています。
外傷性脳損傷(TBI) が生じた場合には、てんかんを発症する可能性が高くなります。
てんかん発症のリスクは傷害の重症度や回数に応じて増加し、軽度TBIの場合は3倍、局所脳損傷の場合は16倍にもなります。
また、40歳以上の患者さんは、外傷後てんかんを発症するリスクが高くなります。
てんかんは就労に影響しますか?
就労に影響を及ぼす可能性がありますが、適切なサポートと理解があれば、働くことは可能です。
てんかんは就労に影響を及ぼす可能性がありますが、適切なサポートと理解があれば、働くことは十分に可能です。
てんかんのある人が就労を目指す際のポイントとして、以下の点が挙げられます。
1. 自己理解と情報共有
自分の発作の特徴やきっかけを理解し、職場に適切に伝えることで、必要な配慮を得られやすくなります。
2. 職場環境の整備
発作のリスクを減らすために、職場での安全対策や柔軟な勤務形態の導入が重要です。
3. 周囲の理解と支援
同僚や上司に、てんかんについて正しい知識を持ってもらうことで、安心して働ける環境が整います。
てんかんでヘルプマークはもらえますか?
てんかんの方でもヘルプマークをもらうことができます。
ヘルプマークは、外見からは健康状態や障害がわかりにくい方が、支援や配慮を必要とする際に利用できるものです。
てんかんは外見では症状が見えにくいことが多いため、ヘルプマークを活用することで、周囲の人に助けを求めやすくなります。
ヘルプマークは各自治体で配布されていますので、お住まいの地域の福祉課や役所に問い合わせてみてください。
また、受け取りには特別な証明書が不要な場合も多いですが、事前に確認することをおすすめします。
てんかんについて、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「てんかん」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- けいれんは良くなったり悪くなったりと、変動しますか?
- 顔をふる、うなずくなどの動きを10秒程度毎に繰り返していますか?
- 片方の手が急に固まったように動かなくなってしまうことはありますか?
- 手足や顔が勝手に動く発作中も、意識は保たれていましたか?
- 勝手に筋肉が収縮して動く感じですか?
てんかんに関連する病気・症状
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この記事の監修医師
原瀬 翔平
亀田総合病院 脳神経内科・内科
University of Washington (理学部、分子細胞生物学) 卒業後、アップルジャパン株式会社勤務を経て、琉球大学医学部に入学。沖縄県立中部病院での初期臨床研修(2016, 2017年度最優秀研修医賞受賞)修了後、2018年4月に亀田総合病院に入職。同院脳神経内科ベスト指導医(2019, 2020)を受賞。2018年から亀田総合病院卒後研修センター長補佐も兼任しており、臨床だけでなく研修病院における医学教育にも力を入れている。2021年には国立循環器病研究センター脳血管内科で超急性期脳卒中診療を行う。 総合内科の視野を持ちながらの脳神経内科領域、特に脳卒中を専門とする。急性期だけでなく予防、慢性期脳卒中による症候性てんかん、高次脳機能評価、リハビリ、等にも精通。頭痛、しびれ、物忘れ等の主訴にも柔軟に対応できる。 日本語、英語(ネイティブ)、中国語(日常会話)での対応も可能。
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/08/24