ネフローゼ症候群の症状は?ネフローゼ症候群

監修医師阿部 吉倫内科

更新日
2026/10/27
公開日
2020/09/03

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ネフローゼ症候群とは

血液中に含まれるタンパク質の一部であるアルブミンが、尿に漏れてしまう状態です。低タンパク血症により、むくみなどを生じます。原因は多岐に渡ります。

小児ネフローゼ症候群で退院したあと、気をつけることはなんですか?

体重測定を行い体調の管理をしましょう。薬の飲み忘れ、感染症の発症に注意して生活しましょう。

小児ネフローゼ症候群の退院後に気をつけることは、再発の早期発見、薬の内服管理、感染予防です。毎日、体重やむくみの変化を記録するよう心がけましょう。また、もし体重の増加、腹痛、尿量の減少などがあれば、すぐに病院を受診しましょう。

ステロイドなどの免疫抑制薬が、まだ続いている場合は、薬の飲み忘れがないように注意しましょう。医師の指示通りに服用し、定期的な外来受診を守りましょう。

食事は塩分を控えめにし、また、感染予防のため手洗い・うがいを徹底します。家族や学校への情報共有も大切です。

さらに詳しく:小児ネフローゼ症候群で退院したあと、気をつけることはなんですか?監修医師大庭 悠貴虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科

ネフローゼ症候群とはどのような病気ですか?

腎臓の異常で血液から尿へタンパク質が大量に漏れてしまうことで起こる病気です。

体をめぐる血液は腎臓で濾されて(=不純物が取り除かれるの意)尿が作られます。ネフローゼ症候群は、腎臓の異常によって血液中のタンパク質が尿へ排泄されてしまい、血液中や体内のタンパク質が足りなくなり、むくみなどの症状がでる病気です。

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微小変化型ネフローゼ症候群とはなんですか?

一次性ネフローゼ症候群の重要な疾患で、電子顕微鏡ではじめて変化が観察されることから付いた病名です。

微小変化型ネフローゼ症候群は、本邦の一次性ネフローゼ症候群の約40%を占める重要な疾患です。

光学顕微鏡・蛍光抗体法の所見上、糸球体に明らかな異常が認められず、蛍光抗体法では免疫グロブリンや補体の特異的な沈着は認めないが、電子顕微鏡で観察して、ようやく足突起と呼ばれる構造が消失していることが観察されることから、微小変化と呼ばれます。

ステロイドに対する反応性は良好であり、90%以上の症例で寛解に至るとされていますが、頻回再発やステロイド依存性を呈する例があります。その場合にはリツキシマブが使用されることもあります。

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二次性ネフローゼ症候群とは何ですか?

ネフローゼ症候群の原因となる疾患をもつ続発性のネフローゼ症候群を二次性ネフローゼ症候群と呼びます。

ネフローゼ症候群の原因となる疾患がある場合の続発性ネフローゼ症候群を、二次性ネフローゼ症候群と呼びます。

自己免疫疾患、糖尿病などの代謝性疾患、アミロイドーシスや多発性骨髄腫などのパラプロテイン血症などがあり、ネフローゼ症候群の原因となる原疾患は様々です。

一次性と同様に、腎生検による病理組織診断をもとに、これらの臨床診断が行われ、原疾患に対する治療が行われます。

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一次性ネフローゼ症候群とは何ですか?

明らかな原因となる疾患がない特発性のネフローゼ症候群を一次性ネフローゼ症候群と呼びます。

明らかな原因となる疾患がない特発性のネフローゼ症候群を一次性ネフローゼ症候群と呼びます。

腎生検による病理診断によって分類されます。

代表的なものは、

です。

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ネフローゼ症候群の症状

ネフローゼ症候群の症状にまぶたの腫れはありますか?

むくみによりまぶたが腫れることも起こり得ます。

ネフローゼ症候群は、腎臓の糸球体と呼ばれる構造の障害による大量の尿蛋白の漏出と、これに伴う低蛋白(低アルブミン)血症を特徴とする症候群です。

ネフローゼ症候群では腎機能障害(慢性腎臓病および急性腎障害)のほか、蛋白喪失に伴う合併症として手や足、顔の浮腫が出現することはあります。まぶたが腫れることもあります。

診断基準として浮腫の存在は必須ではありませんが, ほとんどの患者さんで浮腫があり、そのために受診される方が多いです。

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ネフローゼ症候群の症状に手や足のむくみはありますか?

手や足のむくみは起こり得ます。

ネフローゼ症候群は、腎臓の糸球体と呼ばれる構造の障害による大量の尿たんぱくの漏出と、これに伴う低たんぱく(低アルブミン)血症を特徴とする症候群です。

ネフローゼ症候群では腎機能障害(慢性腎臓病および急性腎障害)の他,たんぱく喪失に伴う合併症として手、足、顔の浮腫が出現することはあります。

診断基準として浮腫の存在は必須ではありませんが、ほとんどの患者さんで浮腫があり、その浮腫に困って受診される方が多いです。

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ネフローゼ症候群ではどのような症状がみられますか?

体のむくみ、体重の増加、だるさ、尿の泡立ちなどがあります。

血液中のタンパク質が失われて低タンパク血症になると、血管の中に水分として血液をためておけず、血管の外に水分が漏れてしまい、それがむくみになります。
さらに、血管の中に水分が少ないと、腎臓にたどり着く水分が少なくなり、作られる尿も減ります。むくみとして溜まった水分が排泄されず、体重が短期間で急激に増えることがあります。
体の中のタンパク質が足りなくなるとだるさを感じたり、尿にタンパク質が漏れると尿が泡立つことがあります。

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ネフローゼ症候群にはどのような種類がありますか?

大きく一次性と二次性に分類され、それぞれに細かな病型が存在します。

明らかな原因となる疾患がない特発性のネフローゼ症候群を、一次性ネフローゼ症候群と呼びます。一方でネフローゼ症候群の原因となる疾患を持つ続発性のネフローゼ症候群を、二次性ネフローゼ症候群と呼びます。

いずれもさまざまな病型があり、腎生検によって組織診断され、病型に応じた治療がなされます。

ユビー病気のQ&A「一次性ネフローゼ症候群とは何ですか?」「二次性ネフローゼ症候群とは何ですか?」の項もご覧ください。

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ネフローゼ症候群の検査・診断

ネフローゼ症候群で血液が固まりやすくなるのはなぜですか?

抗凝固作用のあるタンパクの漏出や、血管内の脱水、浮腫による血液の流れが悪くなることが原因です。

ネフローゼ症候群では、血液が固まりやすくなることが知られています。これは、腎臓のフィルター機能が低下し、血液中のタンパク質(特に抗凝固作用のあるアンチトロンビンなど)が尿に漏れ出してしまうためです。その結果、血液の中で「血を固める働き」が強くなり、血管の中で血栓ができやすくなります。

さらに、ネフローゼ症候群では、体がむくみやすく、これによって血液の流れが遅くなりますし、血管内の水を喪失するために血栓ができやすくなります。

特に血液中のアルブミンが少なくなるほど、血栓症のリスクが高まることがわかっています。このため、ネフローゼ症候群の患者さんは、深部静脈血栓症や肺塞栓症などの合併症に注意が必要です。

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ネフローゼ症候群はどのような検査が行われますか?

血液検査、尿検査、腎生検を行います。

ネフローゼ症候群の診断基準は、

  • ①高度蛋白尿(≧3.5g/日)
  • ②低アルブミン血症(<3.0g/dL)
  • ③浮腫
  • ④脂質異常症

のうち、①+②が必須で、③または④は参考所見とされています。

まず、尿中に蛋白がどれだけ漏れているのかを調べ、血液検査でアルブミンの低下や脂質の上昇、腎機能の悪化がないかどうかを評価します。ネフローゼ症候群の原因を調べるために、腎生検を行い、病型に応じて治療を行います。

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ネフローゼ症候群の診断基準について教えてください。

高度蛋白尿、低アルブミン血症に加え、浮腫や脂質異常症があることが診断基準です。

ネフローゼ症候群の診断基準は、

  • ①高度蛋白尿(≧3.5g/日)
  • ②低アルブミン血症(<3.0g/dL)
  • ③浮腫
  • ④脂質異常症

です。

診断において①と②は必須条件です。③や④は参考所見ですが、ほとんどの症例で③や④もみられます。

さらに詳しく:ネフローゼ症候群の診断基準について教えてください。監修医師大庭 悠貴虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科

健康診断で尿蛋白と出た場合、ネフローゼ症候群の可能性はありますか?

蛋白尿があるからといって必ずしもネフローゼ症候群であるとは限りません。

ネフローゼ症候群は、腎臓の糸球体と呼ばれる構造の障害による大量の尿蛋白の漏出と、これに伴う低蛋白血症を特徴とする症候群です。

ネフローゼ症候群の診断には、1日3.5g以上の大量の蛋白尿が必要であり、また低アルブミン血症がみられることが必須です。

そのため、蛋白尿がみられたからといって、必ずしもネフローゼ症候群とは限りません。

IgA腎症などの慢性腎炎や、ANCA関連血管炎などの血管炎、糖尿病性腎症などでも蛋白尿がみられることはあります。

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ネフローゼ症候群の治療・対処法

ネフローゼ症候群への対処法は?

まずは医療機関を受診しましょう。

ネフローゼ症候群の治療で使われる免疫抑制剤とはなんですか?

腎臓を障害している免疫の異常を抑えるための薬です。

ネフローゼ症候群の原因となっている体の免疫の異常を抑えるために、免疫抑制薬を使います。主に使われる免疫抑制薬には、ステロイド(プレドニゾロンなど)、シクロスポリンやタクロリムスなどのカルシニューリン阻害薬、ミコフェノール酸モフェチル、リツキシマブなどがあります。

ステロイドは最初に使われることが多く、ステロイドを早く減量し、ステロイドの副作用を防ぐために、他の免疫抑制剤を組み合わせます。リツキシマブは、特に再発を繰り返すネフローゼ症候群に使われることがあります。

これらの薬は、感染症にかかりやすくなったり、腎臓や他の臓器に副作用が出ることもあるため、医師の指示に従い、定期的な検査や診察が必要です。どの薬を使うかは、患者さんの病状や体質、副作用のリスクなどを考慮して決められます。

さらに詳しく:ネフローゼ症候群の治療で使われる免疫抑制剤とはなんですか?監修医師大庭 悠貴虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科

ネフローゼ症候群ではどのような治療をしますか?

原因となる病気によりますが、多くの場合はステロイドでの治療が多いです。

ネフローゼ症候群の原因となる病気はさまざまですが、多くの場合はステロイドで治療されます。ステロイドのみだと効果が不十分な場合や、再発、もしくは効果がない場合は、ほかの免疫抑制薬や血漿交換療法(血液の一部を健康な人のものに入れ替えること)を併用することもあります。
なかには併用しても治療が効かないものがあり、減塩や水分制限、利尿剤などでむくみのコントロールをする対症療法だけを行うしかない場合もあります。

さらに詳しく:ネフローゼ症候群ではどのような治療をしますか?監修医師大庭 悠貴虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科
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受診の目安・何科を受診するべきか

ネフローゼ症候群の名医の探し方を教えてください。

腎臓専門医の資格を持つ医師が在籍する医療機関を探すことが重要です。

ネフローゼ症候群の専門医(名医)を探すには、まず「腎臓専門医」の専門医資格を持つ医師が在籍する医療機関を選ぶことが重要です。特に大学病院や大規模な総合病院には、ネフローゼ症候群の診断・治療経験が豊富な専門医が多く在籍しています。
 
医師の専門性は、病院の公式ウェブサイトや日本腎臓学会などの学会ホームページで把握できます。また、治療実績や学会活動、論文発表歴なども参考になります。
 
受診前には、紹介状やこれまでの検査結果を準備し、専門医との連携がスムーズに進むようにすることが望ましいです。
 
Ubieでは「かんたん医師相談」から、気軽に医師に相談することも可能です。

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ネフローゼ症候群は、何科で治療をしますか?

原則として腎臓内科で治療をします。

腎臓の病気なので腎臓内科で治療することがほとんどです。ネフローゼ症候群の原因となっている病気によっては、ほかの診療科と一緒に治療する場合があります。
たとえば、膠原病(自分の免疫が自分自身を攻撃してしまう病気)でネフローゼ症候群を起こしている場合は、膠原病内科と腎臓内科で治療にあたることがあります。

さらに詳しく:ネフローゼ症候群は、何科で治療をしますか?監修医師大庭 悠貴虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科

ネフローゼ症候群の専門医がいる近くの病院はありますか?

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ネフローゼ症候群の経過・予後

ネフローゼ症候群の再発を予防するにはどうすればよいですか?

感染予防を徹底し、薬を正しく指示通りに内服することが重要です。

ネフローゼ症候群の再発を予防するためには、まず感染症に注意し、体調管理を徹底することが重要です。風邪などの感染症は、再発の主なきっかけとなるため、手洗いやうがい、予防接種などを心がけましょう。

治療面では、医師の指示通りに内服薬を規則正しく服用することが、再発予防に不可欠です。薬の飲み忘れや自己判断での中止は、再発リスクを高めます。頻回に再発する場合やステロイドの副作用が強い場合は、医師がステロイド以外の免疫抑制薬(シクロスポリン、リツキシマブなど)を追加することがあります。これらの薬剤は、再発を減らす効果が報告されていますが、副作用もあるため、医師とよく相談しましょう。

まとめると、感染予防、薬の正しい服用、定期受診が再発予防の基本です。

さらに詳しく:ネフローゼ症候群の再発を予防するにはどうすればよいですか?監修医師大庭 悠貴虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科

ネフローゼ症候群の予後はどうなりますか?

治療への反応や再発の頻度によって異なります。ほとんどの方は良好な経過をたどります。

ネフローゼ症候群の予後は、治療への反応や再発の頻度によって大きく変わります。多くの子どもはステロイド薬によく反応し、腎臓の働きは保たれますが、再発を繰り返すことが多く、長期的な治療が必要になる場合があります。ステロイドに反応しない場合や、何度も再発する場合は、他の免疫抑制剤を使うこともあります。

ステロイドに反応するタイプでは、腎臓の機能が悪くなることはほとんどありませんが、治療の副作用や感染症、血栓症などの合併症に注意が必要です。ステロイドに反応しない場合や、難治性の場合は、腎臓の働きが徐々に低下し、まれに腎不全や透析が必要になることもあります。

日本の大規模調査でも、ほとんどの患者さんは適切な治療で良好な経過をたどりますが、再発や合併症の管理が重要とされています。予後は個人差があるため、定期的な通院と医師の指示に従った治療が大切です。

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ネフローゼ症候群の平均寿命はどれくらいですか?

病型によって異なりますが、平均余命が10年程度短くなると言われています。

2018年にネフローゼ症候群による平均損失生存可能年数(理想的な平均余命からその病気により失われた年数)が、男性では12.7年、女性では13.9年と報告されています(2018年報告)。

この年数は悪性腫瘍(がん)よりも長く、ネフローゼ症候群になってからの寿命は必ずしも良いとは言えません。

その主な原因は感染症です。ネフローゼ症候群になると体の免疫力が弱くなる上、ステロイドなどの免疫抑制治療薬の使用でさらに感染症にかかりやすくなります。

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ネフローゼ症候群に関連するその他の質問

ネフローゼ症候群で血尿が出ることはありますか?

血尿がでることもあります。いずれにしても可能であるならば腎生検での診断が望ましいです。

ネフローゼ症候群は、主に尿に大量のタンパクが出る病気ですが、血尿が出ることもあります。特に膜性腎症や巣状糸球体硬化症など、腎臓の糸球体に炎症や障害があるタイプでは、血尿が見られることもあります。

血尿は、目で見てわかる「肉眼的血尿」と、検査で初めてわかる「顕微鏡的血尿」があります。糸球体性の血尿が出る場合、なんらかの腎炎が存在している可能性があるため、医師は尿検査や血液検査、場合によっては腎生検で詳しく調べます。

ネフローゼ症候群と血尿が同時にみられる場合は、腎臓の状態を注意深く観察する必要があり、可能であるならば腎生検による診断が望ましいです。気になる症状があれば、早めに医療機関で相談しましょう。

さらに詳しく:ネフローゼ症候群で血尿が出ることはありますか?監修医師大庭 悠貴虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科

全身のむくみと体重増加がある場合、ネフローゼ症候群の可能性はありますか?

ネフローゼ症候群の可能性はありますが心不全など他の原因も考える必要があります。

全身のむくみ(浮腫)と体重増加は、ネフローゼ症候群の典型的な症状の一つです。

ネフローゼ症候群では、尿中への大量のたんぱくの喪失により血液中のアルブミンが減少し、血管内の浸透圧が低下します。

これにより血管外へ水分が移行し、顔(特に眼瞼)、下肢、腹部を中心に浮腫が生じ、体液貯留による体重増加が起こります。

ただし、浮腫と体重増加は心不全や肝硬変など他の疾患でもみられるため、診断には尿検査(たんぱく尿の定量)や血液検査(低アルブミン血症の確認)が必須です。

ネフローゼ症候群の診断基準は、

  1. 高度たんぱく尿
  2. 低アルブミン血症
  3. 浮腫
  4. 脂質異常症

のうち1+2+(3または4)とされています。

さらに詳しく:全身のむくみと体重増加がある場合、ネフローゼ症候群の可能性はありますか?監修医師大庭 悠貴虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科

ネフローゼ症候群で障害者手帳は取得できますか?

ネフローゼ症候群のみでは身体障害者手帳は取得できません。

ネフローゼ症候群になった場合でも、必ずしも障害者手帳(身体障害者手帳)が取得できるわけではありません。腎機能が重度に低下し、慢性腎不全となった場合には、腎機能障害として、等級に応じて手帳の取得が認められますが、ネフローゼ症候群単独では認定の対象となることはありません。  

手帳の取得には、主に血液検査(クレアチニン値など)で腎機能障害が、一定以上重いことが条件になります。具体的には通常、重大な腎機能障害(例:4級では血清クレアチニン値が3.0mg/dL以上)が認められた場合が対象となります。  

ネフローゼ症候群の症状だけでは当てはまらず、多くは慢性腎不全や人工透析が必要な段階になって、初めて申請の対象となります。

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ネフローゼ症候群ではどのような食事制限が必要ですか?

むくみや血圧の管理のために塩分制限が重要です。

ネフローゼ症候群では、塩分を制限することがむくみや血圧の管理に重要です。味付けは薄めにし、加工食品や外食は控えめにしましょう。 また、タンパク質は過剰に摂りすぎず、体重1kgあたり0.8~1.0g/日程度が推奨されます。タンパク質を摂りすぎると、腎臓への負担が増えるため注意が必要ですが、極端に減らしすぎると栄養不足になるため、バランスが大切です。

カロリーは十分に摂ることが必要で、特に体力が落ちている場合は、炭水化物を中心に1日35kcal/kg程度を目安にします。 むくみが強い場合は、水分制限が必要になることもありますが、医師の指示に従ってください。

さらに、カルシウムやビタミンDの摂取不足が起こりやすいため、乳製品や小魚、野菜などを意識して摂ることも望ましいです。食事制限は個人の状態によって異なるため、必ず医師や管理栄養士と相談しながら進めましょう。

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ネフローゼ症候群の場合、尿量はどうなりますか?

尿量は減少し急性腎障害を起こすことがあります。

ネフローゼ症候群では、尿量が減少することがあります。

大量の蛋白尿により血液中のアルブミンが低下し、血管内の水分が組織に移動してむくみ(浮腫)が生じます。

この結果、血管内の循環血液量が減少し、腎臓はナトリウムと水分を保持するため、尿量がさらに減ることがあります。

特に重症例や腎機能が低下した場合には、尿量減少(乏尿)や急性腎不全を伴うこともあります。

ただし、ネフローゼ症候群のすべての患者で尿量が減るわけではなく、症状の程度や病態によって個人差があります。

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尿に油膜が張る場合、ネフローゼ症候群と関係がありますか?

脂質が尿に漏れて油膜を張ることはありますが、必ずしもネフローゼ症候群と関係するとは限りません。

ネフローゼ症候群になると、血液中のタンパク質が大量に尿へ漏れ出すだけでなく、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪など)が増えやすくなります。このため、余分な脂質が尿中にも排泄されることがあり、尿の表面に油膜が浮いたり、白く濁ったりすることがあります。これは、尿に混じった脂質が水に溶けずに浮かぶためです。

ネフローゼ症候群の患者さんでは、このような尿の変化がみられることがあります。ただし、尿に油膜が見られるからといって、必ずネフローゼ症候群とは限りません。他の病気や一時的な体調変化でも起こることがあります。気になる場合は、早めに医療機関で相談し、尿検査などで詳しく調べることが大切です。

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ネフローゼ症候群が進行すると透析が必要になりますか?

必ず透析が必要になるわけではありませんが、透析が必要になることもあります。

ネフローゼ症候群は、腎臓の働きが悪くなり、尿に大量のタンパクが出る病気です。必ず透析が必要になるわけではありませんが、病気が進行して腎臓の機能が大きく低下すると、透析が必要になることがあります。

透析とは、腎臓の働きがほとんどなくなったときに、体の中の余分な水分や老廃物を機械で取り除く治療です。腎臓の機能が低下しても、症状がなければすぐに透析を始める必要はありません。透析が必要になるタイミングは、むくみや息苦しさ、食欲不振、吐き気などの症状が出て、薬や食事療法でコントロールできなくなったときです。

腎臓の機能が低下してきた場合は、医師と相談しながら、透析や腎移植などの治療方法について早めに情報を得ておくことが大切です。最近では、患者さんの希望や生活スタイルに合わせて、治療方法を選ぶことが推奨されています。

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ネフローゼ症候群の合併症にはどのようなものがありますか?

血栓症、脂質異常症、感染症にかかりやすくなる、腎機能障害が起こる、などの合併症があります。

ネフローゼ症候群は、腎臓の病気で大量のタンパク尿やむくみが特徴ですが、さまざまな合併症が起こることがあります。血液を固めづらくするタンパクを喪失したり、血管内が脱水になることが重なり血液が固まりやすくなり、血栓症(血管が詰まる病気)が起こりやすくなります。特に、足や腎臓の血管、肺の血管などで起こることがあり、注意が必要です。血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が増える脂質異常症もよくみられ、動脈硬化や心臓病のリスクが高まります。

また、体のタンパクが減ることで感染症にかかりやすくなります。さらに、腎臓の働きが悪くなり、腎機能障害や急性腎不全になることもあります。そのほか、重いむくみや腹水、栄養不足、骨の弱まりなども合併症として知られています。

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小児のネフローゼ症候群について教えてください。

9割が原因不明で、ステロイドや免疫抑制療法が効かない場合は末期腎不全に至るリスクが高いです。

小児ネフローゼ症候群の9割は原因不明です。
微小変化型という病型が8割を占めます。微小変化型はステロイドが効きやすいですが、そのうち50%は再発、もしくはステロイド依存性(ステロイドを減量すると再燃する)であり、10〜20%はステロイド抵抗性(ステロイドが効かない)と言われています。
また、ステロイド抵抗性では、10年以内に透析治療を行う割合が30〜40%で、腎臓が悪くなるリスクが高いとも言われています。

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ネフローゼ症候群でアルブミンの関係性を教えてください。

ネフローゼ症候群において低アルブミン血症は必ずみられます。

ネフローゼ症候群は、腎臓の糸球体と呼ばれる構造の障害による大量の尿蛋白の漏出と、これに伴う低蛋白血症を特徴とする症候群です。

ネフローゼ症候群の診断には、高度な蛋白尿とアルブミンという蛋白が低いことが必須条件です。ですのでネフローゼ症候群では、低蛋白血症は必ずみられます。

低蛋白血症によって、手や足、顔の浮腫が出現することがあります。診断基準として浮腫の存在は必須ではありませんが、ほとんどの患者さんで浮腫があり、それで困るために受診される方が多いです。

さらに詳しく:ネフローゼ症候群でアルブミンの関係性を教えてください。監修医師大庭 悠貴虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科

ネフローゼ症候群と低蛋白血症は関係がありますか?

ネフローゼ症候群において低蛋白血症は必ずみられます。

ネフローゼ症候群は、腎臓の糸球体と呼ばれる構造の障害による大量の尿たんぱくの漏出と、これに伴う低たんぱく血症を特徴とする症候群です。

ネフローゼ症候群の診断には高度なたんぱく尿とアルブミンというたんぱく質の値が低いことが必須条件です。

そのため、ネフローゼ症候群では低たんぱく血症が必ずみられます。

低たんぱく血症によって手や足、顔の浮腫が出現することがあります。

診断基準として浮腫の存在は必須ではありませんが、ほとんどの患者さんで浮腫があり、その浮腫に困って受診される方が多いです。

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ネフローゼ症候群の症状がみられる場合、背景にどのような病気が考えられますか?

膠原病、 糖尿病、 感染症、 悪性腫瘍、 薬剤、 遺伝など多岐にわたります。

特発性に起こるネフローゼ症候群と、他の病気などが原因で二次的に起こるネフローゼ症候群に大きくわけられます。ここでは二次的なものでよくみられるものについて挙げます。

①膠原病に伴うもの

全身性エリテマトーデスの腎病変であるループス腎炎で、ネフローゼ症候群を呈することがあります。また、血管炎と呼ばれる腎臓の血管を侵す病気でもネフローゼ症候群レベルの蛋白尿を呈することがあります。

②糖尿病に伴うもの

進行した糖尿病性腎症ではネフローゼ症候群を呈することがあります。

③感染症に伴うもの

B型肝炎やC型肝炎ウイルスによって、膜性腎症や膜性増殖性糸球体腎炎パターンの、 HIV感染後に巣状分節性糸球体硬化症というネフローゼ症候群の組織病型を示すことがあります。近年は、梅毒後に膜性腎症を呈する報告がしばしばみられています。

④腫瘍に伴うもの

固形がんに伴うもので膜性腎症を呈することは有名です。多発性骨髄腫やアミロイドーシスという血液の病気でも異常なタンパクによりネフローゼ症候群を起こします。

⑤薬剤に伴うもの

近年はがんに対して分子標的治療薬が増えていますが、特にVEGF阻害薬などによるネフローゼ症候群が多く報告されています。

⑥遺伝に伴うもの

遺伝的に腎臓のタンパクを漏れないようにする機構に異常がある腎疾患や、 補体の異常によるC3腎症などでネフローゼ症候群を呈する方もいます。

以上のようにさまざまな原因でネフローゼ症候群は起こり得ます。
ネフローゼ症候群を診たらその原因を調べる必要があります。糖尿病や薬剤のように背景から推測できる場合もありますが、 無関係に起こる場合もあるので、 原則として一般的には腎生検という腎臓の組織の一部を針で採取する検査を行って病型を判断します。その病型から逆算して原因を探っていきます。

さらに詳しく:ネフローゼ症候群の症状がみられる場合、背景にどのような病気が考えられますか?監修医師大庭 悠貴虎の門病院分院 腎センター内科・リウマチ膠原病科 腎臓内科
もっと詳しく「ネフローゼ症候群」を知る

ネフローゼ症候群について、医師からのよくある質問

医師からよくある質問はありますか?

「ネフローゼ症候群」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。

  • 顔全体にむくみがありますか?
  • むくみがありますか?
  • まぶたの腫れぼったさがありますか?
  • 足がむくんでいますか?
  • 全身がむくんでいますか?

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この記事の監修医師

監修医師 阿部 吉倫

阿部 吉倫

内科

2015年東京大学医学部医学科卒。東京大学医学部付属病院、東京都健康長寿医療センターで初期研修を修了。血便を放置し48歳で亡くなった患者との出会いをきっかけにデータサイエンスの世界へ。2017年5月にUbie株式会社を共同創業。2019年12月より日本救急医学会救急AI研究活性化特別委員会委員。2020年 Forbes 30 Under 30 Asia Healthcare & Science部門選出。

更新日
2026/10/27
公開日
2020/09/03