腎血管筋脂肪腫が疑われる場合、何科を受診したらよいですか？

腎血管筋脂肪腫（AML）は腎臓にできる良性腫瘍であるため、まずは泌尿器科を受診するのが適切です。しかし、AMLの診療や治療は、しばしば複数の専門分野の連携を必要とします。そのため、以下のような状況に応じて、泌尿器科から適切な科や医療機関に紹介されることが多いです。

遺伝性疾患との関連が疑われる場合

AMLの約20%は結節性硬化症（TSC）という遺伝子に関わる全身性の病気と関連しています。TSCは腎臓以外にも脳、皮膚、心臓など多くの臓器に症状をきたすため、TSC全体を管理する小児科やTSCの専門医が関わります。

診断と治療（画像診断と塞栓術）

AMLの正確な診断や、出血リスクの評価にはCTやMRIなどの画像検査が不可欠です。また、出血時の緊急止血や破裂予防のために行われる経動脈塞栓術（TAE）は、IVR（インターベンショナルラジオロジー：画像下治療）を専門とする放射線科医の技術が必要です。

慢性的な管理が必要な場合

AMLの経過観察中に腎機能の低下や高血圧が認められた場合、腎臓の専門家である腎臓内科医と連携して診療を進めていくことがあります。

腎血管筋脂肪腫が疑われる場合、まずは泌尿器科に相談し、必要に応じて上記の専門医への紹介を受けるのが一般的な流れとなります。