腎血管筋脂肪腫は主にどのような薬で治療しますか？副作用はありますか？

腎血管筋脂肪腫（AML）に対する薬物療法は、腫瘍の成長を促す特定の信号伝達経路（mTOR経路）の働きを抑える薬が中心です。

主な薬物治療薬

• エベロリムス（Everolimus）（アフィニトールⓇなど）
  • AMLの中でも特に結節性硬化症（TSC）に伴うAML（TSC-AML）の治療に以下のmTOR阻害薬が有効です。
    • エベロリムスは、腫瘍の血管や平滑筋（筋肉）成分を減少させ、血管の破裂による出血の抑制する効果や、腫瘍を小さくする効果があります。
    • 3cm以上の無症状のTSC-AMLに対して、第一選択薬として推奨されることがあります。

副作用（有害事象）

mTOR阻害薬は臓器移植の際の免疫抑制薬として使われることもあり、免疫機能にも影響します。そのため以下のような副作用があります。

• 口内炎、口腔潰瘍
• 感染症（上気道感染症など）
• 脂質異常症
• 月経不順
• その他の症状（咳、皮疹、下痢など）

珍しいタイプの腎血管筋脂肪腫に対して使用することが可能なお薬もありますので、腎血管筋脂肪腫の薬物治療を受ける際は、担当の先生と効果や副作用についてよく相談することが大切です。