「腎血管筋脂肪腫」とはどのような病気ですか?
腎臓に発生する良性腫瘍です。予後はよい場合が多いですが、大きい場合は出血のリスクがあります。
腎血管筋脂肪腫(AML)は腎臓に発生する良性の腫瘍です。名前の通り、血管と平滑筋、脂肪組織の3つの成分から構成されています。腎臓にできる腫瘍の1~3%を占め、その有病率は男性で0.3%、女性で0.6%と言われます。大多数は無症状で、人間ドックなどの画像検査で偶然発見されることが多いです。
通常、AMLは単発性(ひとつだけ)で片側性(一方の腎臓のみ)に発生しますが、結節性硬化症(TSC)や肺リンパ管筋腫症(LAM)という遺伝性の病気をお持ちの方では、両側性・多発性病変がみられることがあります。
画像検査では、腹部のCT検査やMRI検査で腫瘍に脂肪成分を認めることが特徴的ですが、脂肪成分が少ないタイプもあり、腎細胞癌との判断が難しい場合もあります。
AMLは大きくなるにしたがって出血するリスクが高まりますが、早めに発見し適切に管理すれば予後は良好なことが多いです。指摘された場合は、放置せずに泌尿器科を受診しましょう。
腎血管筋脂肪腫について、特に知りたいことは何ですか?
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(参考文献)
日本泌尿器科学会. 結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫診療ガイドライン 2023年版. メディカルレビュー社. 2023
日本泌尿器科学会ほか. 泌尿器科・病理・放射線科 腎癌取り扱い規約第5版. メディカルレビュー社. 2021
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東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
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