腎血管筋脂肪腫で薬が効かない場合、どうしたらよいですか？

腎血管筋脂肪腫（AML）に対する薬物治療（mTOR阻害薬）が、腫瘍の縮小や症状の緩和に十分な効果を示さない場合、その他の治療方法が検討されます。

治療法の選択は、腫瘍のタイプやサイズ、患者さんの状態（腎機能や全身状態）によって、以下の治療法から総合的に判断されます。

経動脈塞栓術（血管を詰める治療）

血管を詰める治療は、外科手術より体への負担が小さい治療で、放射線科で行われます。X線で透視しながら、細い管（カテーテル）を血管に通して、血管を詰める物質を腫瘍の中の血管に詰める方法です。
主な目的は、腫瘍の破裂リスクが高い場合（特に血管にコブ（動脈瘤）がある場合）の出血予防、腫瘍が破裂して生命を脅かす出血が起きた場合の緊急止血、そして腎臓の機能をできるだけ温存することです。

外科手術

薬物療法や血管を詰める治療でも対応できない症状がある場合、または悪性腫瘍の可能性がある場合に選択されます。腫瘍のみを切除して腎臓を残す手術（腎臓を残す手術）は、特に脳や腎臓などに腫瘍ができやすい遺伝性の病気（結節性硬化症）を伴うAMLで重要視されます。
一方、血管を詰める治療でも制御できない大量出血がある場合や、腎機能がすでに失われている場合、またはとても大きいAMLの場合は、腎臓をすべて取る手術（腎摘出術）が選択されます。