肺炎の場合、主にどのような治療をしますか?
治療の中心は抗菌薬や抗ウイルス薬です。病状によって、他の治療を追加することがあります。
肺炎は、細菌やウイルスなどの微生物による感染症です。治療の中心は抗菌薬や抗ウイルス薬で、原因となった病原体によって治療薬は異なります。
軽症であれば飲み薬、重症であれば入院して注射薬を使用します。
診断してすぐには原因微生物が分からないことも多く、また、複数の病原体の感染を合併していることも少なくありません。そのため、重症度や検査結果などを考慮して、複数の病原体を網羅するために複数の薬を組み合わせたり、途中で薬を変更したりすることもあります。
ウイルスによる肺炎の場合には、抗ウイルス薬(細胞の中でウイルスの増殖を止める薬)の他に中和抗体薬(ウイルスが細胞に侵入するのを抑える薬)を使用できるものや、逆に抗ウイルス薬が存在せず自分の免疫でウイルスを克服するのを待たないといけないものもあります。
また、新型コロナウイルス感染症による肺炎や、細菌による肺炎が重症の場合などでは、肺で炎症が広がることを抑えるためにステロイド剤やその他の薬を使用することがあります。
それ以外にも、呼吸の状態が悪い場合には入院して酸素の吸入などの呼吸の補助を行ったり、発熱が辛い場合には解熱薬を使用したり、極端に食事量が減ってしまっている場合には水分補給の点滴などを行うことがあります。
※肺炎は、老衰などによる人生の終末期に発症することも少なくありません。この場合、積極的に治療して一旦よくなっても同様の肺炎を繰り返して本人にとっては苦痛な時間が長引いてしまう、治療そのものが本人の苦痛になってしまうという状況がありえます。
患者さんの意思に基づいて、無理のない範囲の治療を医療者・患者の間で相談していくことも重要だと言われています。
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最終更新日:
京都大学医学部附属病院呼吸器内科 呼吸器内科
渡邉 アヤ 監修
(参考文献)
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