再生不良性貧血の原因は何がありますか?
骨髄の中の血球の基になる細胞(造血幹細胞)が障害を受けて、減少することが原因です。
再生不良性貧血は、骨髄の中の造血幹細胞の何らかの原因による障害により起こります。造血幹細胞とは、骨髄中に存在し、赤血球、好中球、血小板の基になる未熟な細胞のことです。
これらの血球は、骨髄で作られたあとに血液中に放出されます。健康な人では造血幹細胞からこれらの血球が作り続けられており、血球の寿命により失われた分を補っています。しかし、再生不良性貧血では造血幹細胞の何らかの原因による障害により、血球が補給出来なくなっています。
この病気は、生まれつき遺伝子の変異があって起こる場合(先天性)と、そうでない場合(後天性)があります。
先天性再生不良性貧血(主にファンコニ貧血)
遺伝子異常によって、造血幹細胞のDNAの修復がうまくいかず造血幹細胞が障害を受けて血液がを作れなくなると考えられていますが、まだ詳しいことはわかっていません。
後天性再生不良性
薬物や放射線治療などによるもの(二次性)と、原因が不明の場合(特発性)があります。特発性の場合、明確な原因の特定は困難ですが、免疫細胞が自身の造血幹細胞を攻撃する自己免疫機序が重要な発症メカニズムのひとつとされています。
公開日:
最終更新日:
兵庫医科大学病院 輸血・細胞治療センター 血液内科
山原 研一 監修
(参考文献)
難病医学研究財団/難病情報センター.“再生不良性貧血(指定難病60)”.難病情報センター.https://www.nanbyou.or.jp/entry/106,(参照 2024-09-18).
再生不良性貧血の診断基準と診療の参照ガイド改訂版作成のためのワーキンググループ.“特発性造血障害に関する調査研究班、再生不良性貧血診療の参照ガイド 令和 4 年度改訂版”..http://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2022/Aplastic_Anemia.pdf,(参照 2024-09-18).
ファンコニ貧血(指定難病285).難病情報センター,https://www.nanbyou.or.jp/entry/4441(参照 2024-09-18)
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