骨髄炎の場合、主にどのような治療をしますか?
長期間の抗生物質投与が中心です。重症例や薬が効かない場合は手術も検討されます。
骨髄炎の治療は、感染の重症度や原因となっている細菌の種類、患者さんの体の状態によって異なりますが、主に「抗生物質を使った薬物治療」と「手術による治療」が組み合わせて行われます。
1. 抗生物質による治療(薬物治療)
骨髄炎の治療の中心となるのは、抗生物質を長期間にわたって使い続けることです。
- 投与方法: 通常、治療の最初の段階では、強力な抗生物質を点滴します。これは、薬の成分を血液にたくさん送り込み、感染部位にしっかりと届けるためです。症状がよくなってきたら、飲み薬に切り替えることがあります。
- 抗生物質の選択: 感染の原因となっている細菌の種類や、その細菌がどの抗生物質に効くか(感受性)を調べて、最も効果のある薬が選ばれます。特に、多くの抗生物質が効きにくい多剤耐性菌では、薬の選択は複雑になることがあります。
- 治療期間: 治療期間は数週間から数ヶ月におよぶことがあり、完全に治ったことを確認できるまで、薬を飲み続けることが必要です。途中で治療をやめてしまうと、再発したり慢性化したりするリスクが高まります。
2. 手術による治療
抗生物質だけでは治りにくい重症な場合や、病気が長引いて慢性化してしまった場合には、手術が検討されます。
- 手術: 抗生物質が届きにくい「死んだ骨(腐骨)」や、膿がたまっている場所(膿瘍)を徹底的に取り除きます。これにより、薬が効きやすい環境を作ります。
- 骨の再建: 感染部位の骨が大きく壊れてしまった場合には、骨の形や機能を元に戻すための再建手術が行われることもあります。
3. その他の治療
- 高気圧酸素治療: 特殊な装置の中で高い気圧の酸素を使用する治療です。これにより、感染部位の酸素不足を改善し、細菌を殺す力を高めたり、組織の治りを早めたりする目的で行われます。特に、難治性の慢性骨髄炎に対して検討されることがあります。
山田記念病院 整形外科 整形外科部長
濱畑 智弘 監修
(参考文献)
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