HER2陽性肺がんになる原因を教えてください。
複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
HER2陽性肺がんになる明確な原因は、現在の医学ではまだ完全には解明されていません。特定のひとつの原因があるというよりは、複数の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
しかし、どのような仕組み(メカニズム)でがんが発生するのか、また、どのような方に比較的見られやすいのかはわかってきています。
HER2陽性肺がんの直接的な原因は、肺の細胞に生じた「HER2遺伝子」の後天的な異常です。これは遺伝するものではなく、その人の人生の過程で起こる変化です。
私たちの体にあるHER2遺伝子は、細胞の表面に「HER2タンパク質」というアンテナのようなものを作る設計図です。このアンテナは、外部から「増えなさい」という命令を受け取ると、細胞の中にその信号を伝え、細胞の正常な増殖や成長をコントロールしています。
なんらかの理由でHER2遺伝子に「変異(構造の変化)」や「増幅(数の増加)」といった異常が起こると、HER2タンパク質が異常な形になったり、数が過剰になったりします。
異常なHER2タンパク質は、外部からの命令がなくても常に「増えなさい」というスイッチをONにし続けてしまいます。この止まらない増殖命令の結果、細胞が無限に増え続けてしまい、「がん化」すると考えられています。
この遺伝子異常を引き起こす根本原因は特定できていませんが、主に以下の要因が考えられています。
- 偶発的なエラー:体の細胞は日々分裂し、その都度遺伝子(DNA)をコピーしています。このコピーの過程で、偶然ミスが起こることがあります。通常は修復されますが、年齢とともに修復能力が落ちたり、ミスが重なったりすることで異常につながります。
- 環境要因:タバコの煙に含まれる発がん性物質、アスベスト、大気汚染、ラドンガスなど、外部からの刺激が遺伝子を傷つけ、変異を引き起こすことがあります。
直接的な原因とは異なりますが、どのような方にHER2陽性肺がんが見つかりやすいか、という臨床的な特徴(傾向)は報告されています。
- 喫煙歴:EGFR遺伝子変異と同様に、タバコを吸わない方(非喫煙者)や、喫煙歴が短い方に比較的多く見られます。
- 性別:女性に多い傾向があります。
- がんの種類:肺がんの中でも「腺がん」というタイプがほとんどです。


肺がんについて、特に知りたいことは何ですか?
利用規約とプライバシーポリシーに同意のうえ、もっとも当てはまる項目を選択してください。
肺がんについて、気になる症状はありますか?
もっとも当てはまる項目を選択してください。

病気の不安や悩みについて
AIがあなたの質問にお答えします

インタビューに参加すると、
5,000円分のAmazonギフト券プレゼント!
肺がんの疑いがある方や治療中の方を対象に、「オンラインインタビュー」を行なっています。
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
肺がん
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
一問一答なので 読むのが簡単
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ医療AIパートナー ユビー
24時間いつでも健康の悩みを気軽にチャットで相談できるあなただけの医療AIパートナー。なんとなく不調な時や人に相談しづらい悩みがあるときも、どんな相談もOKです