「ムコ多糖症」とはどのような病気ですか?

ムコ多糖を分解するための酵素が生まれつき不足しているために、全身の細胞にムコ多糖が蓄積する病気です。

解説

ムコ多糖症は、ムコ多糖を分解するための酵素が生まれつき不足しているために、全身の細胞にムコ多糖が蓄積する先天代謝異常症です。

ムコ多糖はグリコサミノグリカンとも呼ばれ、細胞と細胞の間で体液を蓄える働きがあり、この体液を通して細胞に栄養を運んだり老廃物を排出したりしています。代表的なムコ多糖類には、コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸などがあり、全身の臓器や組織で大切な役割を担っています。

通常、体内で不要となったムコ多糖は、体の細胞の中にあるライソゾームと呼ばれる小さな器官で、分解酵素の働きによって分解・排出されます。ところが、遺伝子の異常により酵素がうまく機能しなくなるとムコ多糖が全身の細胞に徐々にたまってしまい、さまざまな臓器に悪影響をおよぼします。

ムコ多糖症は、不足している分解酵素の種類によって7つのタイプ(Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型、Ⅵ型、Ⅶ型、Ⅸ型)に大きく分類されています。
症状が現れる年齢や現れ方は各タイプによって違いますが、主に、骨の変形、関節のこわばり、特徴的な顔つき、低身長、お腹がふくらむ、発達の遅れ、心臓や呼吸器の問題、聴力低下、視力障害などの症状がみられます。

公開日

最終更新日

富士在宅診療所 一般内科

本間 雄貴 監修

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(参考文献)

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