ムコ多糖症はいつわかる病気ですか?

多くの患者さんは3歳ごろまでに発症し、乳幼児期に診断されます。症状がはっきりしてくるのは3〜5歳ごろです。

解説

ムコ多糖症の診断時期は、タイプ(病型)や重症度によって異なりますが、多くの場合、以下のようになります。

新生児期・乳児期(0~1歳)

重症例では、生後間もないころから症状が現れることがあります。

  • 広範囲の青灰色の色素沈着(いわゆる「蒙古斑」)
  • 特徴的な顔貌
  • 腹部膨満(肝臓や脾臓の腫れ)
  • 臍ヘルニアや鼠径ヘルニア

幼児期(1~5歳)

多くの患者さんは3歳ごろまでに発症し、この時期に診断されることが多いです。
症状が徐々に明確になり、3~5歳ごろにはっきりしてくることが多いです。

年齢が上がるにつれて現れる症状

年齢が上がるにつれて、以下のような症状が現れたり、進行したりすることがあります。

呼吸器系の問題

  • 呼吸音の異常
  • 反復性の上気道感染

消化器系の問題

  • 腹部膨満(肝臓や脾臓の腫れ)

骨・関節の問題

  • 股関節の可動域制限
  • 骨の変形
  • 関節の拘縮(指先がまっすぐ伸びないなど)

成長・発達の問題

  • 低身長
  • 発達の遅れ

目の問題

  • 角膜混濁、視力の低下

耳の問題

顔貌の特徴

  • 大きな頭
  • 突出したおでこ
  • 太く濃いまゆげ
  • 分厚い唇や舌

重要な点

軽症例では、症状が軽微であったり、ゆっくりと進行したりするため、診断が遅れることがあります。場合によっては、成人期まで診断されないこともあります。
早期診断が重要です。早めに適切な治療を開始することで、症状の進行を遅らせたり、合併症を予防したりできる可能性があります。
家族歴がある場合や、上記の症状が複数みられる場合は、専門医による精密検査を受けることが推奨されます。
確定診断には、尿中ムコ多糖の定量検査、酵素活性検査、遺伝子検査などが必要です。

気になる症状がある場合は、小児科医にご相談ください。早期診断と適切な治療が、患者さんの生活の質(QOL)と予後の改善に重要です。

公開日

最終更新日

富士在宅診療所 一般内科

本間 雄貴 監修

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(参考文献)

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