ムコ多糖症と蒙古斑は関係ありますか?
背中やお尻以外に広範囲の蒙古斑が見られる場合は、ムコ多糖症と関係している可能性があります。
ムコ多糖症では、通常の蒙古斑とは異なる、広範囲の青灰色の色素沈着がしばしば観察されます。この色素沈着は、通常の蒙古斑が見られる背中やお尻以外の部位にも広がっていることがあります。
しかし、広範囲の色素沈着だけでムコ多糖症と診断することはできません。
以下のような他の症状も併せて観察される場合、ムコ多糖症の可能性が考えられます。
呼吸器系の問題
- 呼吸音の異常
- 反復性の上気道感染
消化器系の問題
- 腹部膨満(肝臓や脾臓の腫れ)
骨・関節の問題
- 股関節の可動域制限
- 骨の変形
- 関節の拘縮(指先がまっすぐ伸びないなど)
成長・発達の問題
- 低身長
- 発達の遅れ
目の問題
- 角膜混濁
- 視力の低下
耳の問題
ヘルニア
- 臍ヘルニアや鼠径ヘルニア
顔貌の特徴
- 大きな頭
- 突出したおでこ
- 太く濃いまゆげ
- 分厚い唇や舌
重要な点
これらの症状は、ムコ多糖症のタイプや重症度によって異なります。すべての症状が同時に現れるわけではありません。
広範囲の色素沈着は、ムコ多糖症以外の先天性代謝異常症でも見られることがあります。
ムコ多糖症の確定診断には、尿中ムコ多糖の定量検査や酵素活性検査、遺伝子検査などが必要です。
気になる症状がある場合は、小児科医にご相談ください。早期診断と適切な治療が、患者さんの生活の質(QOL)と予後の改善に重要です。
公開日:
最終更新日:
富士在宅診療所 一般内科
本間 雄貴 監修
(参考文献)
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