非ホジキンリンパ腫

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非ホジキンリンパ腫の生存率(生命予後)はどのくらいですか?

名古屋大学病院 小児がん治療センター 血液内科

秋田 直洋 監修

非ホジキンリンパ腫の生命予後は、遺伝子の性質やがん細胞の量、年齢など多岐にわたる因子に依存します。

解説

非ホジキンリンパ腫はさらに細かく病気が分類され、治療が決定されます。生命予後は以下の因子によりさまざまです。

  • がん細胞がもつ遺伝子の性質
  • がん細胞の表面に現れる性質
  • 体の中にあるがん細胞の量
  • 年齢、社会経済的状況、併存疾患、普段の活動レベルなどのがんの性質以外の因子


一例として、非ホジキンリンパ腫のうち、最も一般的で全体の25%程度を占めるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、現在の治療で全体の約半数の患者さんが治癒すると報告されています。
限局期のリスクが低い60歳以下の患者さんにR-CHOP療法という治療を行った場合、5年後に生存している確率は80%程度です。一方、進行している70歳以下の患者さんではR-CHOP療法で8年生存率が60%弱と報告されています。

このように個々の患者さんで生命予後が異なるため、担当医師から詳細な情報を得ることが重要です。

個人の見解

2009年~2011年に実施された研究において、悪性リンパ腫の5年後生存率は67.5%と報告されています。
性別ごとの5年後生存率は、

  • 男性:66.4%
  • 女性:68.6%

と、女性の方がやや高い傾向にあります。
また、男性女性とも50歳未満の方は、悪性リンパ腫による死亡率は低い傾向があります。しかし、60歳以上になると、悪性リンパ腫による死亡者数が増加する傾向にあります。

各ステージにおける5年後生存率は下記の通りです。

  • ステージI:72.7%
  • ステージII:60.7%
  • ステージIII:61.9%
  • ステージIV:50.7%

これらのデータから分かるように、悪性リンパ腫の生存率は、性別・年齢・進行度によって左右されます。医療技術の進歩に伴い、悪性リンパ腫ぼ生命予後は改善してきており、今後も新しい薬剤が開発され、悪性リンパ腫の生存率は向上していくことが期待されています。

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