陰茎がんのステージ別(転移の有無別)での余命は、適切に治療した場合、それぞれどのくらいですか?

ステージ別で生存率が異なり、転移の有無が大きく影響します。

解説

陰茎がんを適切に治療した場合の余命は、年齢やがんの進行度合い(ステージ)によって大きく異なります。陰茎がんは早期であれば、やや余命は長いですが、進行すると命に関わることが大変多いです。

余命の代わりに、5年がん特異的生存率(がんが原因で亡くなることなく5年間生存している割合)は以下のように推定されます。

ステージⅠ以下:87.5~94.3%

がんが陰茎の表面近くにとどまり体の他の部位への転移がない状態です。

ステージⅡ:56.2~63%

がんが陰茎の比較的深い部分に及んでいるものの、体の他の部位(リンパ節や他の臓器)への転移がない状態です。

ステージⅢ:9.5~68.0%

がんが陰茎の比較的深い部分に及んでおり、さらに鼠径部(足の付け根)のリンパ節のみに転移が見られる状態です。

ステージⅣ:0~16 %

がんが、転移したリンパ節の周囲、または他の臓器にまで浸潤するほど進行している状態です。

リンパ節転移があるかなど、転移の有無が余命に影響します。特に、遠隔転移があるM1期の場合、2年生存率が10%未満と極めて予後が不良であるとされています。適切な診断・治療を早期に行うことで、生存率の改善が期待されます。

個人の見解

陰茎がんは比較的まれながんなので、各ステージ別の余命や生存率の報告は少なく、上記の数字の根拠として、TNM分類別の5年生存率として下記のようなデータがあります。

T分類別(原発巣のがんの広がり)

  • T1期以下(がんが陰茎の表面やそのすぐ下の結合組織にとどまる): 87.5%
  • T2期(尿道海綿体へ浸潤): 63.0%
  • T3期(陰茎海綿体へ浸潤): 56.2%
  • T4期(隣接臓器へ浸潤): 13.0%

病理学的N分類別(リンパ節転移の有無と数)

  • N0期(リンパ節転移なし): 94.3%
  • N1期(片側のリンパ節に2個以下の転移): 68.0%
  • N2期(片側のリンパ節に3個以上の転移、または両側のリンパ節転移): 9.5%
  • N3期(骨盤リンパ節転移あり、または鼠径リンパ節の節外進展(リンパ節の外側への広がり)あり): 0%

M分類別(遠隔転移の有無)

  • M0期(遠隔転移なし): 69.9%
  • M1期(遠隔転移あり): 0%
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公開日

最終更新日

東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科

秋元 隆宏 監修

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