IgG4関連疾患の診断基準について教えていただけますか?
IgG4関連疾患の診断基準には、症状や臓器の状態、血液中のIgG4濃度、組織検査が含まれます。
IgG4関連疾患の診断は、いくつかの要素を組み合わせて総合的に行われます。診断を正確に行うために、専門家によって作られた「診断基準」が用いられます。
診断基準では、主に以下の3つのポイントをみて、IgG4関連疾患であるかどうかを判断します。
- 全身の臓器の腫れやしこり(臨床的な特徴): 体のどこかの臓器に、IgG4関連疾患に特徴的な腫れやしこり、あるいは機能の異常があるかを確認します。例えば、膵臓の腫れ、唾液腺や涙腺の腫れ、腎臓の異常などです。
- 血液中のIgG4の値(血清IgG4濃度): 血液検査で、IgG4という種類の免疫グロブリン(抗体の一種)の値が、基準値よりも高くなっているかを確認します。多くの患者さんでIgG4の値が高くなりますが、値が高くなくてもIgG4関連疾患である場合もありますし、他の病気で高くなることもあるため、この項目だけでは診断できません。
- 病変の組織検査(病理組織学的検査): 病気が疑われる臓器の一部を採取し(生検といいます)、顕微鏡で詳しく調べます。IgG4関連疾患の場合、組織の中にIgG4を持った細胞がたくさん集まっていたり、線維化(組織が硬くなること)がみられたりといった、特徴的な変化が確認されます。これは診断において非常に重要な情報となります。
これらの1、2、3の項目を組み合わせて、診断の確実性(「確実例」「可能性が高い例」など)を判断します。
つまり、IgG4関連疾患の診断は、「症状や臓器の状態」「血液検査」「組織検査」という、いくつかのパズルのピースを組み合わせて行うイメージです。
最終的な診断は、これらの基準や検査結果に加え、他の似た病気を否定するなど、専門の医師が総合的に判断して行います。
東日本橋内科クリニック 一般内科
平松 由布季 監修
(参考文献)
こちらの記事は参考になりましたか?
よろしければ、ご意見・ご感想をお寄せください。
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
IgG4関連疾患
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
疾患について分かりやすくまとまっています
1
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
2
一問一答なので 読むのが簡単
3
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
初めての方へ
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ