癌性胸水
「癌性胸水」とは、がんが原因で胸膜腔に異常な量の胸水がたまる病気です。息苦しさ、咳、胸の痛みなどの症状がみられます。がん治療中や治療後にこれらの症状が現れた場合は、呼吸器内科や腫瘍内科を受診しましょう。
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
受診について
症状について
癌性胸水が進行すると、呼吸困難、咳、体を動かす能力の低下などが見られます。
癌性胸水による呼吸困難の対処法は、まず胸水を減らす治療を行い、必要に応じて酸素療法やモルヒネなどの薬物療法、送風療法、看護ケアなどの非薬物療法も併用します。
胸水の量が少ない場合や、ゆっくりとたまった場合は無症状のこともあります。
息苦しさ(呼吸困難)、咳、体を動かす能力の低下などが主な症状です。
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
病気について
息苦しさや咳、体力の低下などの症状が悪化し、日常生活に大きな影響が出ることが予想されます。
癌性胸水で胸水を減らす方法には、胸腔穿刺、胸腔内カテーテル留置、胸膜癒着術、胸腔腹腔シャントなどがあります。
癌性胸水と悪性胸水は、癌細胞が原因で胸腔に水が貯まる同じ病態を指します。
赤色や茶褐色、あるいは濃い黄色(黄褐色)であることが多いです。
癌性胸水は、がんが原因で胸水が作られすぎたり、吸収されにくくなったりすることで溜まります。癌性胸膜炎もその一因です。
癌性胸膜炎は、がんが胸膜に広がることで、癌性胸水がたまる原因のひとつです。
癌性胸水は、胸腔という肺の周りの空間に、がんが原因で水がたまる病態です。
癌性胸水の主な原因となるがんは、肺がん、乳がん、原発不明がん、造血器がんです。
癌性胸水と診断された場合の平均生存期間は、一般的に4〜7ヶ月とされています。
肺がんが胸膜に広がり、胸水の産生と吸収のバランスが崩れるため胸水がたまります。
癌性胸水自体にステージ分類は設定されていません。原発がんの進行度で評価されます。
治療について
原因となっているがん細胞を完全に消し去り、「完治」させることは極めて難しいです。
胸膜癒着術は、胸水が再貯留するのを防ぐために、胸腔ドレナージで肺を広げた後に癒着剤を胸腔内に投与し、胸膜をくっつける治療法です。
癌性胸水のドレナージ治療には、一時的な胸腔穿刺と、持続的に胸水を排出するための胸腔内カテーテル留置があります。
楽な姿勢の工夫、呼吸法の練習、無理のない活動、心理的サポートの活用が役立ちます。
主に胸水を抜いたり、胸膜を癒着させて胸水の再貯留を防ぐ治療を行います。
治療法や患者さんの状態によって大きく異なり、数日の場合もあれば数週間に及ぶこともあります。
薬について
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