癌性胸水を放置するとどうなりますか?

息苦しさや咳、体力の低下などの症状が悪化し、日常生活に大きな影響が出ることが予想されます。

解説

私たちの肺を包む「胸膜腔」にはごく少量の胸水が存在し、常に作られては吸収されることで量が保たれています。癌性胸水は、がんが原因でこの胸水のバランスが崩れ、異常に胸水が溜まる状態です。

癌性胸水を放置すると、胸水が溜まり続けることで、主に次のような症状が起こる、または悪化する可能性が高まります。

  • 呼吸困難(息苦しさ):胸水が増えることで肺が圧迫され、十分に膨らむことができなくなり、息苦しさを強く感じるようになります。
  • 咳嗽(咳):胸膜への刺激や呼吸機能の低下によって、咳がひどくなることがあります。
  • 運動耐容能の低下(体力の低下):少し体を動かしただけでも息切れがするため、歩行や着替えなどの日常生活の活動が困難になり、体力が著しく低下します。

少量の胸水であれば自覚症状がないこともありますが、放置すれば胸水の量が増加し、これらの症状が現れて患者さんの生活の質(QOL)が著しく低下する恐れがあります。

また、一時的に胸水を抜く処置をしても、ほとんどの場合、30日以内に再び胸水が溜まり、症状が再発することが報告されています。これは、がんが原因であるため、根本的な治療がなければ胸水の増加とそれに伴う苦痛が続くことを示唆しています。悪性胸水と診断されてからの平均生存期間が4~7カ月とされることから、放置することは、残された期間の苦痛を増すことにつながります。

公開日

最終更新日

京都大学医学部附属病院 呼吸器内科

山形 昂 監修

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