癌性胸水の場合、主にどのような治療をしますか?
主に胸水を抜いたり、胸膜を癒着させて胸水の再貯留を防ぐ治療を行います。
癌性胸水の治療は、たまった胸水を除去し、症状を和らげることが主な目的です。以下のような治療法があります。
胸腔穿刺
細い管(カニューレ)を使って胸膜腔に針を刺し、胸水を直接抜き取る方法です。比較的侵襲が少ないですが、一度に抜きすぎると「再膨張性肺水腫」という合併症のリスクがあるため、1回あたり1,000~1,500mL程度までとどめる必要があります。しかし、多くの場合30日以内に胸水が再びたまり、症状が戻ってしまいます。
胸腔内カテーテル留置
頻繁な胸腔穿刺を避けるために、細い管(小口径カテーテルや胸腔ドレーン)を胸膜腔に留置し、持続的に胸水を排出する方法です。これにより、息苦しさが改善し、長期的に症状をコントロールできるようになります。合併症として、感染やカテーテルが詰まること、挿入部からがんが広がる可能性などが報告されています。
胸膜癒着術(きょうまくゆちゃくじゅつ)
胸水を排出したあと、胸膜腔に特定の薬剤(タルクやOK-432など)を注入し、胸膜に炎症を起こさせて、肺の表面を覆う胸膜と胸壁の内側を覆う胸膜をくっつける(癒着させる)治療法です。これにより、胸水が再びたまるのを防ぐことができます。メリットは、管が不要になり、頻繁な穿刺を避けられることです。副作用として、注入後の胸の痛みや発熱、まれに急性呼吸促迫症候群(ARDS)という重篤な合併症が報告されています。
胸腔腹腔シャント
非常に治りにくい胸水に対して、胸膜腔と腹腔(お腹の空間)をつなぐ管を設置し、手動でポンプを押すことで胸水を腹腔内に移動させる方法です。ただし、この治療法については、効果や副作用に関する十分な情報がまだ少ないとされています。


癌性胸水について、特に知りたいことは何ですか?
利用規約とプライバシーポリシーに同意のうえ、もっとも当てはまる項目を選択してください。
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
癌性胸水
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
一問一答なので 読むのが簡単
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ医療AIパートナー ユビー
24時間いつでも健康の悩みを気軽にチャットで相談できるあなただけの医療AIパートナー。なんとなく不調な時や人に相談しづらい悩みがあるときも、どんな相談もOKです