副腎不全(アジソン病など)
監修医師濵﨑 秀崇はまさき医院 内科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
副腎不全とは
血圧や代謝調節に必須の副腎ホルモン不足で起こります。症状は全身に現れ、疲労感や食欲低下など他の病気で見られる症状と区別がつかないこともあります。放っておくと命に関わる病気です。
「副腎不全」とはどのような病気ですか?
副腎から分泌されるホルモンが不足し、倦怠感、発熱、筋力低下、血圧低下などさまざまな症状を起こす病気です。
副腎は副腎皮質と副腎髄質から成り、皮質からはアルドステロン、コルチゾール、DHEAなどの必須ホルモンが分泌されます。副腎不全はこれらのホルモンの分泌が欠乏した状態です。
原発性副腎不全(アジソン病)は副腎皮質自体の異常で、自己免疫や感染症が主な原因です。
一方、続発性副腎不全は視床下部や下垂体の異常によるもので、脳腫瘍や怪我が原因となります。
また、免疫チェックポイント阻害薬の副作用としても発症することがあります。
副腎不全はまれで、原発性はヨーロッパで10万人あたり10人、韓国で0.4人、続発性はスペインや英国で10万人あたり14~28人と報告されています。
副腎不全の症状
副腎不全ではどのような症状がありますか?
疲れやすさ、だるさ、発熱などさまざまな症状が起こります。抑うつ気分や不安感といった精神症状も見られます。
疲れやすさ、倦怠感、食欲低下、吐き気、体重減少、筋力低下、関節痛、低血圧、発熱などさまざまな症状があります。
また、抑うつ気分や不安感、物忘れなど精神症状が現れることがあります。
原発性副腎不全では下垂体からACTHの分泌が増え、皮膚、歯肉、肘や膝などの関節の周りが黒ずむ(色素沈着)ことがあります。
急激に副腎皮質ホルモンが不足すると、副腎クリーゼと呼ばれる状態になり、血液の循環不全による低血圧(ショック)、低体温、低血糖、さらには意識障害が起こります。
副腎不全には初期症状はありますか?
特徴的な初期症状はありません。
一般的な症状は、
などです。
症状は数ヶ月、数年にわたって進行します。残念ながら、命に関わる副腎クリーゼが発症するまで、副腎不全と診断されないことがあります。
原因不明の体重減少のある若い女性が、摂食障害とみなされ、副腎不全が見過ごされることがあります。
初期症状はありませんが、副腎不全に合致する症状がみられたら、副腎機能に関して詳しい検査を行う必要があります。
副腎不全の検査・診断
副腎不全のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
副腎不全に特異的な症状はありませんが、次の症状に合致する場合、副腎不全の可能性があります。
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、副腎不全かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。
副腎不全と診断される基準はなんでしょうか?
症状に加えて、早朝の血液検査で副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の値が低いことが診断基準となります。
全身倦怠感、体重減少、低血圧、低血糖、低ナトリウム血症、色素沈着、好酸球増多などの症状や、検査異常がみられる場合、早朝の血中コルチゾール値を調べます。
この値が4 μg/dL未満の場合、副腎不全の可能性が高いと判定されます。
さらに、ACTH迅速負荷試験やCRH負荷試験などの負荷試験を行い、コルチゾール分泌の反応を調べて診断を付けます。
副腎・下垂体・視床下部のうち、どこに原因があるか調べるためには、連続ACTH負荷試験やインスリン低血糖試験を行います。
副腎不全の治療・対処法
副腎不全(アジソン病など)への対処法は?
急性副腎不全の場合緊急治療が必要です。慢性副腎不全であっても原因を調べるために詳しい検査が必要です。専門医を受診しましょう。
受診の目安・何科を受診するべきか
副腎不全が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?
異常な倦怠感、意識障害や混乱状態、腹痛・嘔吐、低血圧は急性副腎不全(副腎クリーゼ)を起こしている可能性があるため、ただちに病院を受診する必要があります。
倦怠感や筋力低下、低血圧、低血糖、食欲低下、体重減少など症状が、なかなかよくならない場合、副腎不全の可能性があるため、病院を受診して検査を受けてください。
慢性的な胃腸炎、甲状腺機能低下症、心臓病、うつ病など同じような症状がみられる病気が複数あるため、適切な検査を行わなければ診断はできません。
副腎不全の患者さんが、感染症や怪我などの身体的ストレスを受けて急激に副腎不全が進行することを、副腎クリーゼと呼びます。
全身の循環障害が起こり、命の危険があるため、ただちに救急外来など病院を受診する必要があります。
副腎不全(アジソン病など)の専門医がいる近くの病院はありますか?
副腎不全(アジソン病など)の専門医がいる病院を見る副腎不全の薬
副腎不全は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
ヒドロコルチゾン(コートリルⓇ︎)を定期的に内服し、治療します。副腎クリーゼのときは点滴投与します。
ヒドロコルチゾン(コートリルⓇ︎)10~20 mg/日を内服します。症状の変化に応じて内服量を調整します。
副腎皮質ホルモンの分泌は、時間帯によって変動があるため、例えば、朝2:夕1というように内服量を調整することがあります。
感染症やケガなどで、体に大きなストレスがかかると、コルチゾールは通常よりも多く必要となるため、内服量を2~3倍に増やします。
治療を中断すると、副腎クリーゼを起こす可能性があるので、自己判断で薬をやめないようにしましょう。
副腎不全について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「副腎不全(アジソン病など)」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 皮ふに黒ずみがありますか?
- 疲れやすさを感じていますか?
- 日常的に気持ちが高ぶったり、恐怖を感じたりすることが多いですか?
- 最近、集中力が下がっていると感じますか?
- 体のだるさはありますか?
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この記事の監修医師
濵﨑 秀崇 先生
はまさき医院 内科・糖尿病内科・内分泌・代謝内科
【経歴】 2002年 東京大学理学部 生物学科 卒業 2008年 広島大学医学部 医学科 卒業 2008年 国立病院機構横浜医療センター 研修医 2010年 国立国際医療研究センター病院 糖尿病内分泌代謝科 レジデント 2012年 国立国際医療研究センター国府台病院 内科 医師 2016年 自治医科大学大学院 医学系研究科 卒業 2017年 医療法人泰水会 濵﨑クリニック 医師 2022年 University of Derby MBA Global 修了 2024年 University of Manchester MRes Public Health 修了
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03