抗リン脂質抗体症候群

監修医師栗原 信吾北水会記念病院 整形外科

更新日
2026/05/26
公開日
2020/09/03

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抗リン脂質抗体症候群とは

免疫系の異常により血栓(血の塊)ができやすくなる病気です。血栓が血管を塞ぐことで、さまざまな部位や内臓の障害を起こしたり、流産などの妊娠合併症を起こします。

「抗リン脂質抗体症候群」とはどのような病気ですか?

抗リン脂質抗体という自己抗体が血中に存在することで、動脈や静脈の血栓症や習慣性流産などを引き起こす病気です。

抗リン脂質抗体という自己抗体が血中に存在することで、動脈や静脈の血栓症や習慣性流産などを引き起こす病気です。
血栓症は下肢静脈血栓症(エコノミークラス症候群)や脳梗塞が一般的ですが、どの部位でも起こる可能性があります。
特に基礎疾患がなく発症する原発性と、全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群などの自己免疫性疾患に合併する続発性があります。原発性抗リン脂質抗体症候群は、指定難病のひとつとされています。

さらに詳しく:「抗リン脂質抗体症候群」とはどのような病気ですか?監修医師小田 修宏亀田総合病院 アレルギー・膠原病内科
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抗リン脂質抗体症候群の症状

抗リン脂質抗体症候群の自覚症状にはどのようなものがありますか?

下肢の痛みや腫れ・むくみ・胸痛・呼吸困難などがあります。

抗リン脂質抗体症候群は、繰り返す血栓症と妊娠合併症が特徴です。
抗リン脂質抗体症候群によって引き起こされる血栓症はあらゆる部位に発生するため、症状も多岐にわたります。その中でも下肢静脈血栓症が頻度的に多いため、下肢の痛みや腫れ・むくみ、下肢の血栓症が肺が飛んでしまった場合には胸痛・呼吸困難などが起こります。
また、脳梗塞も多く、呂律障害や麻痺などの症状も起こります。

さらに詳しく:抗リン脂質抗体症候群の自覚症状にはどのようなものがありますか?監修医師小田 修宏亀田総合病院 アレルギー・膠原病内科

抗リン脂質抗体症候群には初期症状はありますか?

血栓症が原因の下肢の痛みや胸痛・一過性脳虚血発作などが見られることがあります。また、流産を繰り返すことがあります。

抗リン脂質抗体症候群は症状は多彩でさまざまな症状を来しますが、初期症状としては下肢の血栓症や脳梗塞を起こすことが多いです。
また、流産を繰り返す場合や、妊娠高血圧や胎児発育不全などの妊娠合併症をきっかけに診断される方もいます。
特に上記のような既往がない方も、健康診断での血小板低下をきっかけに診断される患者さんもいらっしゃいます。

さらに詳しく:抗リン脂質抗体症候群には初期症状はありますか?監修医師小田 修宏亀田総合病院 アレルギー・膠原病内科

抗リン脂質抗体症候群ではどのような症状がありますか?

動脈血栓症・静脈血栓症・妊娠合併症によるさまざまな症状が見られます。

抗リン脂質抗体症候群の症状として、大きく2つ、繰り返す血栓症と妊娠合併症に関連した症状があります。

繰り返す血栓症

など

妊娠合併症

  • 繰り返す流産
  • 胎児発育不全
  • 妊娠高血圧
  • 胎盤機能不全

など

その他

  • 網状皮疹
  • 血小板低下
  • 腎症
  • 肺胞出血

など

さらに詳しく:抗リン脂質抗体症候群ではどのような症状がありますか?監修医師小田 修宏亀田総合病院 アレルギー・膠原病内科
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抗リン脂質抗体症候群の原因

抗リン脂質抗体症候群の原因は何がありますか?

遺伝的要因と環境的要因が原因であると考えられています。

原因はまだはっきりとわかっていませんが、遺伝の影響や環境的要因が考えられています。

遺伝的要因

HLAと言われる白血球の血液型が関連しているとされています。

環境的要因

ある特定の感染症(梅毒、肝炎、伝染性単核症など)や薬剤(クロルプロマジン、プロカインアミド、ヒドララジンなど)は、病的意義は不明ですが抗リン脂質抗体症候群の原因となる抗リン脂質抗体を産生することがあるとされています。また肥満との関連も指摘されています。

さらに詳しく:抗リン脂質抗体症候群の原因は何がありますか?監修医師小田 修宏亀田総合病院 アレルギー・膠原病内科
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抗リン脂質抗体症候群の検査・診断

抗リン脂質抗体症候群のセルフチェックはできますか?

解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。

以下の項目に当てはまる場合は、抗リン脂質抗体症候群の可能性があります。

また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、無料で抗リン脂質抗体症候群かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。

さらに詳しく:抗リン脂質抗体症候群のセルフチェックはできますか?監修医師小田 修宏亀田総合病院 アレルギー・膠原病内科

抗リン脂質抗体症候群の診断基準は何ですか?

抗カルジオリピン抗体や抗β2-グリコプロテイン抗体、ループスアンチコアグラントの有無を血液検査で確認して診断されます。

血液検査で関連する抗体を、画像検査で症状の有無を確認して診断します。
抗カルジオリピン抗体や抗β2-グリコプロテインⅠ抗体、ループスアンチコアグラントの有無を血液検査で確認し、さらに血栓症や妊娠合併症などの抗リン脂質抗体症候群に関連した症状のある場合に、抗リン脂質抗体症候群と診断されます。
抗カルジオリピン抗体や抗β2-グリコプロテイン抗体といった、抗リン脂質抗体症候群で陽性になる抗体は、健常人の10%程度で陽性になると言われています。「抗体陽性 = 抗リン脂質抗体症候群」ではない点に注意が必要です。

さらに詳しく:抗リン脂質抗体症候群の診断基準は何ですか?監修医師小田 修宏亀田総合病院 アレルギー・膠原病内科
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抗リン脂質抗体症候群の治療・対処法

抗リン脂質抗体症候群への対処法は?

適切な評価と治療を受けるために、専門の医療機関を受診してください。

抗リン脂質抗体症候群の場合、主にどのような治療をしますか?

抗血小板薬や抗凝固薬を用いて、血栓症に対する治療を行います。

治療は、症状やリスクに応じて異なります。主に次のように治療を行います。

リン脂質抗体が陽性で血栓症を起こしてしまった場合

抗血小板薬や抗凝固薬を用いて、血栓症に対する治療を行います。また続発性の抗リン脂質抗体症候群では、原病の治療も重要です。

リン脂質抗体が陽性で流産や妊娠合併症のリスクが高い場合

妊娠前から抗血小板薬を開始したり、妊娠中にはヘパリンを投与することもあります。

リン脂質抗体が陽性ですが症状のない場合で血栓症のリスクが低い場合

無治療で経過観察を行うこともあります。

さらに詳しく:抗リン脂質抗体症候群の場合、主にどのような治療をしますか?監修医師小田 修宏亀田総合病院 アレルギー・膠原病内科
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受診の目安・何科を受診するべきか

抗リン脂質抗体症候群が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?

若年での脳梗塞の発症や深部静脈血栓症をほかの原因なく発症した場合には、この病気が疑われます。リウマチ・膠原病内科、アレルギー科を受診しましょう。

若年での脳梗塞の発症や、深部静脈血栓症をほかの原因なく発症した場合や繰り返す場合には、この病気が疑われます。リウマチ・膠原病内科やアレルギー科を受診しましょう。
また、流産を繰り返す場合もこの病気が疑われます。その場合にはリウマチ・膠原病内科と産婦人科で協力して診療を行っていきます。

さらに詳しく:抗リン脂質抗体症候群が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?監修医師小田 修宏亀田総合病院 アレルギー・膠原病内科

抗リン脂質抗体症候群の専門医がいる近くの病院はありますか?

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抗リン脂質抗体症候群に関連するその他の質問

抗リン脂質抗体症候群では食べ物で気をつけることはありますか?

暴飲暴食は控え、血栓症のリスクとなる糖尿病や高血圧、脂質異常症になるような食事は避けましょう。

肥満自体が、リン脂質抗体のリスクのひとつです。このため暴飲暴食は控え、血栓症のリスクとなる糖尿病や高血圧、脂質異常症になるような食事は避けましょう。
また、抗リン脂質抗体症候群と診断され、血栓症の治療でワーファリンが使用されている場合は、納豆や青菜などは摂取しないようにしましょう。

さらに詳しく:抗リン脂質抗体症候群では食べ物で気をつけることはありますか?監修医師小田 修宏亀田総合病院 アレルギー・膠原病内科

抗リン脂質抗体症候群で気をつけることはありますか?

肥満や喫煙は改め、血栓症のリスクを高めることは避けましょう。

抗リン脂質抗体症候群の病因として、抗体と血栓症の原因となるような要素の2つが揃って血栓を形成する「two hit theory」が考えられています。
血栓症の原因となるような要素としては、肥満や喫煙、長期臥床などがあり、特に減量や禁煙は治療上重要です。
また、抗リン脂質抗体症候群の患者さんは、エストロゲン製剤(いわゆるピル)により血栓症を引き起こす可能性があります。使用に際しては主治医と相談が必要です。

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抗リン脂質抗体症候群について、医師からのよくある質問

医師からよくある質問はありますか?

「抗リン脂質抗体症候群」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。

  • 妊娠したいと考えているのに、妊娠できない状態が1年以上続いていますか?
  • これまでに【深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)】と診断されたことはありますか?
  • 皮膚に水ぶくれが出来ていますか?

抗リン脂質抗体症候群に関連する症状としては次の症状があります

特に関連する症状

次のような症状がある方はご注意ください。

白目や皮ふが黄色くなっている
症状の頻度
初めての症状である
自覚した時期
1-4週間前から
症状の経過
改善も悪化もしていない
赤い尿や血尿が最近出た
自覚した時期
1か月以上前から
症状の頻度
初めての症状である
体温が37.5℃以上
自覚した時期
3週間以上前から
症状の程度
38℃より高い

最新のガイドライン・医療水準を取り込んだデータベースを元に関連する病気・症状を表示しています。

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この記事の監修医師

監修医師 栗原 信吾

栗原 信吾 先生

北水会記念病院 整形外科

【経歴】 山形大学医学部卒業(2013年) 沖縄中部徳洲会病院(初期研修) 群馬大学整形外科 善衆会病院、堀江病院、まつだ整形外科 横浜市立大学大学院ヘルスデータサイエンスコース修士課程修了 北水会記念病院 整形外科(2026年-)

更新日
2026/05/26
公開日
2020/09/03