「肥満症」は心房細動などの不整脈の原因にもなりますか?
はい、なります。肥満症は心臓に負担をかけ、心臓の構造変化や慢性的な炎症を引き起こし、心房細動などの不整脈の強力な原因となります。
はい、「肥満症」は心房細動をはじめとする不整脈の、非常に重要な原因かつリスク因子です。肥満症の人は、適正体重の人に比べて心房細動を発症するリスクが著しく高いことが、多くの研究で明らかになっています。
肥満症が心房細動を引き起こす主な理由は、多岐にわたります。
心臓への物理的な負担と構造の変化
体重が増えると、全身に血液を送るために心臓はより大きな力で働く必要があり、常に過負荷の状態になります。この負担が長期間続くと、心臓、特に心房が引き伸ばされて大きくなります(心房拡大)。大きくなった心房では、正常な電気信号の伝達が乱れやすくなり、不規則な興奮である心房細動が発生しやすくなります。
睡眠時無呼吸症候群の合併
肥満症の人は、睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」を高頻度で合併します。睡眠中の無呼吸は、低酸素状態や胸腔内の急激な圧力変化を引き起こし、心臓に大きなストレスを与え、心房細動の強力な引き金となります。
慢性的な炎症
肥満によって増えた内臓脂肪は、体内で弱い炎症を引き起こす物質を放出し続けます。この慢性的な炎症が心臓の筋肉(心筋)にも及び、心筋が硬くなる(線維化)ことで、不整脈が発生しやすい土壌を作り出します。
自律神経の乱れ
肥満は、心臓のリズムをコントロールする自律神経のバランスを乱し、不整脈を誘発しやすくします。
幸いなことに、減量によってこれらのリスクを改善できることがわかっています。体重を減らすことで心臓への負担が軽減し、血圧が下がり、睡眠時無呼吸が改善するため、心房細動の発症予防や、すでに発症している場合の治療においても、減量は非常に重要な役割を果たします。
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最終更新日:
福岡ハートネット病院、井林眼科・内科クリニック 糖尿病・内分泌科 福岡ハートネット病院 糖尿病内科部長
井林 雄太 監修
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