気管支拡張症の場合、日常生活で気を付けることはありますか?

感染症予防を心がけてください。

解説

気管支拡張症は、気管支が不可逆的に拡張し、粘液の蓄積や炎症が起こりやすくなる慢性疾患です。日常生活では、症状の悪化を防ぐために、いくつかの注意点があります。

1. 感染症予防

気管支拡張症になると、気道の防御機能が低下し、細菌やウイルスによる感染症にかかりやすくなります。感染症は気管支拡張症の悪化の主な原因となるため、日常生活では以下の点に注意して感染予防に努めましょう。

  • 手洗い・うがいの徹底:

外出後や食事前などこまめな手洗いとうがいを習慣づけ、ウイルスや細菌の体内への侵入を防ぎましょう。

  • 人混みを避ける:

特に、インフルエンザや風邪などが流行している時期は、人混みを避けるようにしましょう。やむを得ず人混みに行く場合は、マスクを着用するなどの対策を取りましょう。

  • 適切な湿度管理:

乾燥した空気は気道を刺激し、炎症を悪化させる可能性があります。室内の湿度を適切に保ち、加湿器を使用するのも良いでしょう。

  • 予防接種:

インフルエンザや肺炎球菌ワクチンなどの予防接種を受けることで、重症化するリスクを減らすことができます。

  • 十分な睡眠と休息:

睡眠不足や疲労は免疫力を低下させ、感染症のリスクを高めます。 十分な睡眠と休息をとり、体力の回復に努めましょう。

  • バランスの取れた食事:

栄養バランスの取れた食事を摂ることで、免疫力を維持し、感染症への抵抗力を高めることができます。

2. 気道クリアランスの維持

気管支拡張症では、気管支内に粘液がたまりやすくなるため、積極的に排出することが重要です。

  • 水分摂取:

を十分に摂取することで、の粘度を下げ、排出を促進することができます。

  • 体位ドレナージ:

重力を利用して痰を排出する方法です。理学療法士の指導のもと、自分に合った方法で行いましょう。

  • 呼吸法:

腹式呼吸やゆっくりとした深呼吸など、適切な呼吸法を身につけることで、気道を開き、痰の排出を促すことができます。

  • 咳エクササイズ:

効果的なの仕方を練習することで、痰を効率的に排出することができます。

  • 器具の使用:

振動や陽圧を用いて痰の排出を助ける器具があります。医師や理学療法士に相談し、自分に合った器具を使用しましょう。

3. 禁煙

喫煙は気道の炎症を悪化させ、気管支拡張症の症状を進行させる可能性があります。禁煙は気管支拡張症の管理において非常に重要です。

4. 定期的な医療機関への受診

気管支拡張症は慢性疾患であり、継続的な管理が必要です。 定期的に医療機関を受診し、医師の診察を受け、症状の変化や治療の効果などを確認してもらいましょう。

公開日

最終更新日

京都大学医学部附属病院 呼吸器内科

山形 昂 監修

おすすめのQ&A
関連する病気と症状

(参考文献)

こちらの記事は参考になりましたか?
よろしければ、ご意見・ご感想をお寄せください。

こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。

この記事をシェアする

𝕏
初めての方へ

ユビー病気のQ&Aとは?

現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。

病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ
無料で症状を調べる
症状を調べる

症状検索エンジン「ユビー」

体調に不安がある、医療機関への受診を考えている方向けに、20〜30問程度の質問に答えることで、あなたに関連性のある病名や、適切な受診先を無料で調べられます。

さっそく調べる
医療機関を探す
医療機関を探す

お近くの病院をお探しの方へ

「受診科が分からない」「どの医療機関に行ったらいいか分からない」といった悩みは、ユビーの病院検索が便利です。近所の病院も探せるので、ぜひご利用ください。

病院を探す
治療法を調べる
治療法を調べる

治療案内ユビー

自身の治療情報を登録することで、治療の選択肢や使っている薬についてなど、あなたの参考になりそうな治療情報を調べられる機能です。

さっそく調べる
ネットで医師相談
ネットで医師相談

ユビーかんたん医師相談

病院にすぐに行くべきかなど悩んだタイミングですぐに相談。つらくて病院に行けないとき、時間がないとき、夜間や休日などに、いつでも医師に相談できます。

詳しくはこちら

サービスの目的と位置付け

ユビー病気のQ&Aは、情報提供を目的としたサービスのため、医師・医療従事者等による情報提供は診療行為ではありません。
診療を必要とする場合は、医師・医療機関にご相談ください。
当サービスは、信頼性および正確な情報発信に努めますが、内容を完全に保証するものではありません。
情報に誤りがある場合は、こちらからご連絡をお願いいたします。