デュシェンヌ型筋ジストロフィーは主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

筋力や運動機能の改善にステロイド、心臓のケアに心筋保護薬が使われます。それぞれに副作用があります。

解説

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの標準的な薬物治療として、主に以下の薬が使われます。

  • ステロイド:筋力の維持や運動機能の改善に効果が期待できる唯一の薬です。長期間使用する場合、骨が弱くなる(骨粗鬆症)、骨折、体重増加、血糖値の上昇、行動の変化、白内障、成長の遅れなどの副作用が出ることがあります。これらの副作用に注意し、定期的な検査で状態を確認することが重要です。
  • 心筋保護薬:心臓の機能低下(心筋症)に対して、ACE阻害薬やβ遮断薬などが主に使われます。これらの薬にも、血圧の変動や腎臓の機能への影響などの副作用が出ることがあり、心臓の状態を定期的に確認しながら使用します。
  • 不整脈治療薬心臓の拍動のリズムの乱れ(不整脈)に対して使われることがありますが、心臓の収縮力を弱めたり、別の不整脈を引き起こしたりする可能性があり、副作用に注意が必要です。一部の薬は小児での安全性が確立されていません。
  • 利尿薬体に溜まった余分な水分を出すことで心臓の負担を減らしますが、電解質バランスの乱れなどに注意が必要です。

薬の種類や量は、患者さんの状態や病気の進行段階、合併症の有無などを考慮して専門医が判断します。

また、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの薬物治療として、2020年と2025年にエクソンスキップ治療薬が新規に日本で承認されています。これは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー遺伝子異常により筋肉の基となる蛋白をうまく作れない過程を修正し、病気の進行を抑える治療です。

エクソンスキップ治療の性格上、治療の対象となる患者さんは、ある特定の遺伝子異常を持つデュシェンヌ型筋ジストロフィーの患者さんに限られます。治療対象となるかどうかは、担当医にご確認ください。

遺伝子診断がまだの方、かなり以前に受けられた方では、検査をする必要があるかもしれません。

公開日

最終更新日

東京頭痛クリニック 脳神経内科

越智 佳奈 監修

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