本態性血小板血症を放置するとどうなりますか?

血栓症や出血が起こりやすくなるほか、骨髄線維症や白血病へ移行する可能性があります。

本態性血小板血症は自覚症状が乏しいまま経過することが多い病気ですが、経過をみないままにすると起こりうる合併症が知られています。

血栓症と出血のリスク

本態性血小板血症は血小板が過剰に作られる造血器腫瘍で、血栓症(血のかたまりが血管を詰まらせること)と出血の両方を引き起こしうるとされています(落合友則ほか. 日本血栓止血学会誌. 2021;32(4):370-375)。605例を追跡した研究では、経過中に血栓症を起こした方は11%、10年間のリスクは14%と報告されました。

60歳を超えていることと、過去に血栓症を起こした既往があることが、独立したリスク要因として挙げられています(Passamonti F, et al. Haematologica. 2008;93(11):1645-1651)。治療の主な目的も血栓症の予防に置かれています(Tefferi A, et al. Am J Hematol. 2024;99(4):697-718)。

見過ごされやすいサイン

診断時には無症状のことが多い一方、細い血管の障害によると考えられる次のような症状が、初診時の20%程度でみられると報告されています(落合友則ほか. 日本血栓止血学会誌. 2021;32(4):370-375)。

これらは他の病気でも起こる症状のため、見過ごされやすい点に注意が必要です。

長い経過で起こりうる移行

長い経過のなかで、骨髄線維症へは10年で0.8〜4.9%、急性骨髄性白血病へは10年で0.7〜3%が移行すると報告されています(Cerquozzi S, Tefferi A. Blood Cancer J. 2015;5(11):e366)。定期的な血液検査を続けることで、こうした変化を早めに捉えることが期待されます。健康診断で血小板の数値を指摘された場合は、血液内科への受診をご検討ください。

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関連する病気と症状

(参考文献)

落合友則, 森下総司, 小松則夫. 本態性血小板血症の診断. 日本血栓止血学会誌. 2021;32(4):370-375.
Passamonti F, et al. Prognostic factors for thrombosis, myelofibrosis, and leukemia in essential thrombocythemia: a study of 605 patients. Haematologica. 2008;93(11):1645-1651.
Cerquozzi S, Tefferi A. Blast transformation and fibrotic progression in polycythemia vera and essential thrombocythemia: a literature review of incidence and risk factors. Blood Cancer J. 2015;5(11):e366.
Tefferi A, Vannucchi AM, Barbui T. Essential thrombocythemia: 2024 update on diagnosis, risk stratification, and management. Am J Hematol. 2024;99(4):697-718.

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京都大学大学院医学研究科 総合内科

田中 幸介 監修

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