顔面神経麻痺は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
ベル麻痺やハント症候群ではステロイドや抗ウイルス薬で治療します。
末梢性顔面神経麻痺の原因の多くは、ベル麻痺やハント症候群です。ベル麻痺は単純ヘルペスウイルス、ハント症候群は帯状疱疹ウイルスの活性化により、頭蓋骨の中で神経がむくんで痛むことで生じます。
そのため、ベル麻痺やハント症候群では、以下のような薬物療法を行います。
ステロイド
顔面神経の炎症や浮腫を軽減させる目的で、ステロイドであるプレドニゾロンを用います。麻痺の重症度や治療開始の時期によって使用する用量が異なります。10日ほどかけて徐々に使用する量を減らしていきます。
重症の麻痺、糖尿病の合併、妊娠などの場合には、ステロイドであるデキサメタゾンを耳から注射する場合もあります(ステロイド鼓室内注入療法)。
ステロイドの主な副作用は、以下の通りです。
抗ウイルス薬
単純ヘルペスウイルスや、帯状疱疹ウイルスの増殖を抑制するために使用します。抗ウイルス薬には、以下のようなものがあります。
- バラシクロビル塩酸塩(バルトレックスⓇ︎)
- ファムシクロビル(ファムビルⓇ︎)
- アメナメビル(アメナリーフⓇ)
- アシクロビル(ゾビラックスⓇ︎)
抗ウイルス薬の主な副作用は、以下の通りです。
その他の薬物療法
神経再生の促進や微小循環の改善を目的として、以下のような薬を補助的に用いることがあります。
- メコバラミン(メチコバールⓇ︎)
- アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物(アデホスⓇ︎)
真生会富山病院 耳鼻咽喉科
阿河 光治 監修
(参考文献)
こちらの記事は参考になりましたか?
よろしければ、ご意見・ご感想をお寄せください。
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
顔面神経麻痺
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
疾患について分かりやすくまとまっています
1
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
2
一問一答なので 読むのが簡単
3
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
初めての方へ
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ