ピーナッツアレルギーの原因は何がありますか？

ピーナッツアレルギーは、体の免疫システム（体を病気から守る仕組み）が、ピーナッツに含まれる特定のたんぱく質を敵とみなして過剰反応することで起こります。このとき、IgE抗体（アレルギー反応を引き起こす抗体）が作られることが特徴です。ピーナッツには Ara h 1・2・3 などのアレルゲン（アレルギーの原因となる成分）が含まれています。

これらが体内に入ると、免疫の見張り役である樹状細胞が「異物が入ってきた」と判断し、その情報をT細胞に伝達します。するとT細胞は、アレルギー反応を起こしやすい方向に働くTh2細胞（アレルギー反応の司令役）に変化します。Th2細胞は、免疫を動かす物質を放出して、B細胞にIgE抗体を作らせます。このIgE抗体が、肥満細胞や好塩基球（アレルギー症状を起こす細胞）にくっつくことで、「次に反応する準備が整った状態（感作）」になります。

その後、再びピーナッツを食べると、これらの細胞が一気に反応し、ヒスタミンなどの物質が放出されます。その結果、かゆみ、じんましん、腫れ、血圧低下、息苦しさなどの症状が起こります。また、ピーナッツを炒ったり焼いたりすることで成分が変化し、アレルギーを起こしやすくなることも分かっています。発症には、生まれ持った体質、皮膚のバリア機能の弱さ、腸内環境、乳児期の食事内容など、さまざまな要因が関係します。特にアトピー性皮膚炎がある乳児では、皮膚からアレルギーの準備が進みやすいと考えられています。