後天性血栓性血小板減少性紫斑病の場合、主にどのような治療をしますか?
急性期では血漿交換にカプラシズマブ、ステロイド併用が、再発例にはリツキシマブが用いられます。
後天性血栓性血小板減少性紫斑病(後天性TTP)の急性期治療には、血漿交換にカプラシズマブとステロイド治療の併用が考慮されます。
血漿交換が有効な理由として、ADAMTS13の補充、ADAMTS13の活性を低下させる自己抗体(インヒビター)の除去、切断されず蓄積したvon Willebrand因子(VWF)の除去などのメカニズムが予想されています。
カプラシズマブは1本鎖の抗体薬で、VWFと血小板との相互作用を阻害します。止血に関わるVWFと血小板の接着および凝集を直接的に阻害することによって、後天性TTPにおける細い動脈の血栓形成を予防すると考えられます。
後天性TTPの難治例、再発例でCD20に対するモノクローナル抗体(リツキシマブ)が推奨されます。
リツキシマブは、表面にCD20分子を保有するBリンパ球を減らすことで、Bリンパ球から産生されるADAMTS13に対するインヒビターの産生を抑制する効果が予想されます。
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
松本雅則ほか.血栓性血小板減少性紫斑病 | 症状、診断・治療方針まで.今日の臨床サポート,https://clinicalsup.jp/jpoc/contentpage.aspx?diseaseid=344(参照 2024-12-26)
血液凝固異常症等に関する研究班.“血栓性血小板減少性紫斑病診療ガイド 2023”.血液凝固異常症等に関する研究班.https://ketsuekigyoko.org/wp-content/uploads/2023/10/TTP_GL_2023.pdf,(参照 2024-12-26).
村田満.血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)(指定難病64).難病情報センター,https://www.nanbyou.or.jp/entry/246(参照 2024-12-26)
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