後天性血栓性血小板減少性紫斑病は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

血漿交換、カプラシズマブ、ステロイドで治療します。副作用に血圧低下、出血、感染症などがあります。

解説

最も推奨される確立した治療は血漿交換になります。急性期治療には、この血漿交換にカプラシズマブ(カブリビⓇ︎)と副腎皮質ステロイドという薬剤の併用が考慮されます。

血漿交換が有効な理由として、ADAMTS13の補充、ADAMTS13の活性を低下させる自己抗体(インヒビター)の除去、切断されず蓄積したvon Willebrand因子(VWF)の除去などのメカニズムが予想されています。

カプラシズマブは単鎖抗体薬で、VWFと血小板との相互作用を阻害します。止血に関わるVWFと血小板の接着および凝集を直接的に阻害することによって、TTPにおける細い動脈の血栓形成を予防すると考えられます。

副腎皮質ステロイドは自己抗体の産生抑制が期待されています。

血漿交換の副作用としては血圧低下やアレルギー、感染症などがあります。

カプラシズマブは、重大な副作用として出血(脳出血、消化管出血、鼻出血、歯肉出血)があります。

その他の副作用として、

10%以上のもの

10%未満のもの

などがあります。

ステロイドの副作用は発症時期別に以下の通りです。

  • 開始当日:不眠、うつ、精神高揚、食欲亢進
  • 数日後血圧上昇、電解質異常、むくみ、骨量減少
  • 23週後副腎抑制、血糖・コレステロール上昇、創傷治癒遅延、消化性潰瘍
  • 1ヶ月後骨粗鬆症、無菌性骨壊死、白内障緑内障

公開日

最終更新日

‪東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター ‬ 悪性腫瘍治療研究部‬ 腫瘍 血液内科

村橋 睦了 監修

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