アレルギー性皮膚炎とアトピー性皮膚炎の違いはなんですか?
アレルギー性皮膚炎はアレルギーが関与する皮膚炎の総称で、アトピー性皮膚炎はそのひとつとされています。
アレルギー性皮膚炎とアトピー性皮膚炎は似た名称ですが、同義ではありません。それぞれの定義や原因、症状の違いについて解説します。
アレルギー性皮膚炎とは
アレルギー性皮膚炎とは、体の免疫システムが特定の物質に対して過剰に反応し、皮膚に炎症を起こす疾患の総称です。アレルギー反応にはいくつかの型があり、代表的なものとして即時型(I型)アレルギーと遅延型(IV型)アレルギーがあります。たとえば、特定の物質が皮膚に触れることで起こるアレルギー性接触皮膚炎は、IV型アレルギーが関与する代表的な疾患とされています。
アトピー性皮膚炎の原因とアトピー素因
アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す疾患です。その原因には、皮膚のバリア機能の低下とアレルギー的な免疫反応の両方が関与しているとされています。
皮膚バリア機能の低下には、フィラグリンという皮膚のバリアに関わるたんぱく質の遺伝子変異が関わることがあります。バリアが弱まると、アレルゲン(アレルギーの原因物質)が皮膚から侵入しやすくなり、炎症を起こすとされています。
また、アトピー性皮膚炎の患者の多くは アトピー素因を持つとされています。アトピー素因とは、本人や家族にアレルギー性の喘息・鼻炎・結膜炎などの既往があること、またはIgE抗体(免疫に関わるたんぱく質)を産生しやすい体質のことです。
アレルギー性皮膚炎とアトピー性皮膚炎の違い
アレルギー性皮膚炎はアレルギーが関与する皮膚炎の総称であり、アトピー性皮膚炎はその中のひとつです。両者は同義語ではありません。たとえば、アレルギー性皮膚炎は原因物質(例えば花粉や金属など)への接触によるIV型アレルギーが中心ですが、アトピー性皮膚炎はI型とIV型の両方の要素が混在し、皮膚バリア機能の低下やアトピー素因も病態に関与するとされています。
アトピー性皮膚炎の症状
アトピー性皮膚炎の主な症状には、以下のような特徴があります。
- 強いかゆみを伴う湿疹
- 左右対称に症状が出やすい
- 症状がよくなったり悪くなったりを慢性的に繰り返す
アトピー性皮膚炎が疑われるときは
かゆみのある湿疹が長期間にわたって繰り返すときや、家族にアレルギー疾患の既往がある場合は、アトピー性皮膚炎の可能性が考えられます。気になる症状があるときは、早めに皮膚科など医療機関への受診をご検討ください。
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監修医からのメッセージ
アトピー性皮膚炎が治りづらい方へ


(参考文献)
日本皮膚科学会・日本アレルギー学会『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024』日本皮膚科学会雑誌 2024;134(11):2741-2843.
一般社団法人日本アレルギー学会『アレルギーポータル:アトピー性皮膚炎とは』https://allergyportal.jp/knowledge/atopic-dermatitis/,(参照 2026-08-14).
一般社団法人日本アレルギー学会『アトピー性皮膚炎 Q&A』https://www.jsaweb.jp/modules/citizen_qa/index.php?content_id=4,(参照 2026-08-14).
日本皮膚科学会. 接触皮膚炎診療ガイドライン2020. 日皮会誌. 2020, 130, p.523-567.
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大阪府済生会泉尾病院 皮膚科
野村 祐輝 監修
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