肺がんの遺伝子変異について教えてください。
肺がんで知られている遺伝子の変異としては、EGFR遺伝子変異やALK融合遺伝子などがあります。
非小細胞肺がん(NSCLC)における主要な遺伝子変異を以下にまとめます。
●EGFR 遺伝子変異:
NSCLC の中で最も多くみられる遺伝子変異のひとつです。
特にエクソン19の欠失とエクソン21のL858R点変異は、EGFR遺伝子変異全体の約85〜90%を占め、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)への感受性と関連しています。
オシメルチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、ダコミチニブなどのEGFR-TKIが治療に用いられます。
またアミバンタマブは、EGFRエクソン20挿入変異を有するNSCLC患者さんに対する治療薬として使用されます。
ALK 融合遺伝子:
ALK陽性NSCLC患者に対する一次治療として、クリゾチニブ、アレクチニブ、ブリガチニブ、ロルラチニブなどのALK阻害薬が治療に用いられます。
アレクチニブはクリゾチニブよりも無増悪生存期間中央値が優れており、グレード3以上の有害事象発生率も低いことが示されています。
ROS1 融合遺伝子:
クリゾチニブ、エヌトレクチニブなどのROS1阻害薬が治療に用いられます。
KRAS 遺伝子変異:
ソトラシブなどのKRAS阻害薬が治療に用いられます。
BRAF
遺伝子変異:ダブラフェニブ、トラメチニブ、エンコラフェニブなどのBRAF阻害薬が治療に用いられます。
NTRK 融合遺伝子:
ラロトレクチニブ、エントレクチニブなどのNTRK阻害薬が治療に用いられます。
MET 遺伝子変異:
カプマチニブ、テポチニブなどのMET阻害薬が治療に用いられます。
RET 融合遺伝子:
セルペルカチニブなどのRET阻害薬が治療に用いられます
また小細胞肺がんにおいても、TP53やRB1などの遺伝子変異が高頻度で認められることが知られています。
これらの遺伝子変異は、がん細胞の増殖や転移に関与しており、小細胞肺がんの悪性度と関連していると考えられています。
公開日:
最終更新日:
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
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