「糖尿病性ニューロパチー」とはどのような病気ですか?
糖尿病による高血糖が末梢神経を傷つけ、手足のしびれや痛み、立ちくらみ、筋力低下などが起こる合併症です。
糖尿病性ニューロパチー(糖尿病性神経障害)は、糖尿病の三大合併症のひとつで、最も頻度が高いとされています(糖尿病診療ガイドライン2024)。高血糖が続くことで全身の末梢神経が傷つき、手足のしびれや痛みだけでなく、立ちくらみや筋力の低下など、体のさまざまな働きに不調が現れる病気です。ここでは、原因や症状、治療・予防の基本について解説します。
糖尿病性ニューロパチーの原因
糖尿病によって血糖値が高い状態が続くと、末梢神経のエネルギーの使われ方に乱れが生じ、不要な物質が神経に蓄積します。同時に、神経に栄養を届ける細い血管(神経栄養血管)にも障害が起こります(国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター)。このエネルギー代謝の乱れと血管の障害の2つが重なることで、全身の末梢神経が徐々にダメージを受け、さまざまな症状が現れます。
糖尿病性ニューロパチーの症状
障害を受ける神経の種類によって、大きく3つのタイプに分かれます(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム)。
- 感覚神経の障害:足先や手先のしびれ・痛み・冷感が現れます。症状は足先から始まり、徐々に上方へ広がる「手袋靴下型」と呼ばれる左右対称の分布を示すのが特徴です(日本神経学会)
- 自律神経の障害:立ちくらみ、発汗の異常、便秘や下痢、排尿のトラブルなどが生じることがあります
- 運動神経の障害:筋力の低下や、足の変形がみられることがあります
感覚神経の障害が進むと痛みを感じにくくなり、足のけがや潰瘍(かいよう)に気づかず、最悪の場合は壊疽(えそ)から下肢の切断に至ることもあります(厚生労働省 健康日本21アクション支援システム)。
糖尿病性ニューロパチーの治療と予防
治療の基本は適切な血糖コントロールです。血糖値を良好に保つことで、糖尿病性ニューロパチーの発症や進行を抑制できるとされています(糖尿病診療ガイドライン2024)。しびれや痛みが強い場合は、症状をやわらげる薬が用いられることがあります。
予防には、血糖管理に加え、血圧や脂質の管理、禁煙も重要とされています(国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター)。手足のしびれや痛み、立ちくらみなどの症状が気になるときは、早めに医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
日本糖尿病学会 編・著『糖尿病診療ガイドライン2024』南江堂, 2024(第7版)第10章 糖尿病性神経障害
厚生労働省 健康日本21アクション支援システム『糖尿病神経障害』https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/metabolic/ym-037.(参照 2026-09-16).
日本神経学会『糖尿病性ニューロパチー(代謝性・遺伝性ニューロパチー)』https://www.neurology-jp.org/public/disease/neuropathy_mh_detail.html.(参照 2026-09-16).
国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター『神経障害』https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/060/060/01.html.(参照 2026-09-16).
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はまさき医院 糖尿病・内分泌科
濵﨑 秀崇 監修
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