慢性膿胸とはどのような状態ですか?
慢性膿胸とは、胸腔内の炎症が長期間続き、厚い線維性の膜が形成され、肺の動きを妨げる状態です。
膿胸は、その進行段階によって3つのステージに分けられ、ステージ3が「慢性組織化期」または「慢性膿胸」に相当します。
この段階では、胸腔内にたまった膿が固まり始め、「線維性の膜(fibrous peel)」が形成されます。この厚い膜が肺を包み込み、肺が十分に膨らむのを妨げたり(肺の拡張不全)、肺の機能を低下させたりします。また、新たな感染のリスクも生じます。
- この厚くなった胸膜は、通常は3〜6か月かけて改善することが多いですが、一部のケースでは真の瘢痕(きずあと)として残ることがあります。
- 画像検査では、胸膜の著しい肥厚や石灰化が見られることがあります。
- 慢性膿胸の診断は、患者さんが病気の遅い段階で受診した場合に、後から確定されることもあります。
肺の拡張不全や呼吸機能の制限が6か月以上続き、それが患者さんの運動能力や生活の質を著しく低下させている場合に、肺を包む膜を取り除く肺剥皮術という外科手術が検討されることがあります。
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
こちらの記事は参考になりましたか?
よろしければ、ご意見・ご感想をお寄せください。
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
膿胸
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
疾患について分かりやすくまとまっています
1
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
2
一問一答なので 読むのが簡単
3
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
初めての方へ
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ医療AIに不調を相談
医療AIパートナー ユビー
24時間いつでも健康の悩みを気軽にチャットで相談できるあなただけの医療AIパートナー。なんとなく不調な時や人に相談しづらい悩みがあるときも、どんな相談もOKです