眼振の原因として脳の病気が関与することはありますか?
眼振の原因として、脳の病気が関与することがあります。
眼振の原因として、脳の病気が関与していることがあります。
特に、眼球運動や平衡感覚を調整する役割を持つ脳幹や小脳が障害されると、眼振が症状として現れることがあります。
このような場合、眼振は単なる目の異常ではなく、中枢神経系の異常を示す重要なサインとなります。
代表的な例として、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が挙げられます。
小脳や脳幹の血流が突然途絶えると、片側に持続する眼振とともに、激しいめまいやふらつき、ろれつが回らないといった神経症状が同時に出現することがあります。
これらは緊急性の高い疾患であり、早急な医療対応が必要です。また、脳腫瘍が小脳や脳幹にできた場合にも眼振が現れることがあります。
腫瘍が神経を圧迫することで、視線の安定が保てなくなり、眼振を伴うことがあります。このような場合、頭痛や聴力低下、手足のしびれなど、徐々に進行する症状がみられることも特徴です。
さらに、脊髄小脳変性症などの進行性神経疾患では、小脳機能の低下により、眼振のほかに運動失調や歩行障害が徐々に進行します。また、てんかんや脳炎などでも発作的に眼振が見られることがあります。
このように、眼振が現れる背景には、脳の深部にある中枢神経系の疾患が関与している場合があり、見逃すことは危険です。
特に、急激に出現した眼振や、めまい・ふらつき・しびれ・言語障害などの神経症状を伴う場合には、早急に神経内科や脳神経外科を受診し、MRIなどの精密検査を受けることが重要です。
眼振は身体の異変を知らせるサインの一つであり、軽視せず、適切な診断と治療に繋げることが求められます。
東北大学病院 眼科
山口 知暁 監修
(参考文献)
日本眼科学会.“「眼球がよく動いている(眼振)」原因と考えられている病気一覧”.症状から調べる.https://www.nichigan.or.jp/public/disease/symptoms.html?catid=81,(参照 2025-07-07).
日本弱視斜視学会.“眼振(がんしん)とは”..https://www.jasa-web.jp/general/medical-list/nystagmus,(参照 2025-07-07).
林 孝雄ほか.“先天周期性交代性眼振の病態と診断”..https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/JJOSPDF/107265.pdf,(参照 2025-07-07).
城倉 健.“前庭障害による眼球偏倚や眼振”.J-Stage.https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinkeiganka/38/2/38_133/_article/-char/ja,(参照 2025-07-07).
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