眼振の治療や予防方法には何がありますか?
眼振の治療や予防は、原因に応じて異なります。
眼振の治療や予防は、その原因に応じて異なります。眼振は単独の病名ではなく、何らかの疾患や障害に伴って現れる症状であるため、まずは原因の特定とその治療が最も重要です。
治療の基本は、眼振を引き起こしている基礎疾患への対応です。
たとえば、脳梗塞や脳腫瘍、小脳変性症など中枢神経の異常が原因であれば、神経内科や脳神経外科での専門的な治療が必要となります。
内耳の異常による眼振(メニエール病、良性発作性頭位めまい症など)に対しては、耳鼻科での薬物療法や前庭リハビリテーションが行われます。
ビタミンB1欠乏が原因であれば、ビタミンの補充により症状が改善することもあります。また、薬剤の副作用による眼振の場合は、薬の中止や変更を検討します。
視力や眼位に関連した眼振に対しては、視力矯正(メガネやコンタクトレンズ)やプリズムレンズの使用、眼球運動のリハビリテーションなどが行われることがあります。
先天性眼振で視線の安定が困難な場合には、手術を行い、眼位を調整することで症状を軽減できることもあります。
予防に関しては、眼振そのものを完全に防ぐことは難しいものの、後天性眼振のリスクを減らすための対策は可能です。
具体的には、生活習慣病(高血圧や糖尿病など)の管理を徹底し、脳血管障害を予防すること、アルコールの過剰摂取を控えること、ビタミンB群を含むバランスのとれた食事をとることなどが挙げられます。
さらに、頭部の外傷を防ぐための安全対策や、めまいなどの初期症状が出た場合の早期受診も重要です。
このように、眼振の治療は単なる目の問題として捉えるのではなく、全身的かつ神経学的な観点からの診断と治療が必要であり、適切な対応により症状の改善や生活の質の向上が期待できます。
東北大学病院 眼科
山口 知暁 監修
(参考文献)
日本眼科学会.“「眼球がよく動いている(眼振)」原因と考えられている病気一覧”.症状から調べる.https://www.nichigan.or.jp/public/disease/symptoms.html?catid=81,(参照 2025-07-07).
日本弱視斜視学会.“眼振(がんしん)とは”..https://www.jasa-web.jp/general/medical-list/nystagmus,(参照 2025-07-07).
林 孝雄ほか.“先天周期性交代性眼振の病態と診断”..https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/JJOSPDF/107265.pdf,(参照 2025-07-07).
城倉 健.“前庭障害による眼球偏倚や眼振”.J-Stage.https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinkeiganka/38/2/38_133/_article/-char/ja,(参照 2025-07-07).
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