大人の眼振の原因にはストレスも関係しますか？

はい、ストレスが眼振の間接的な原因になることはありますが、ストレスそのものが眼振の唯一の原因になることはまれです。

眼振は通常、内耳や脳（特に脳幹や小脳）などの神経系の異常によって引き起こされる症状であり、原因としては脳血管障害、前庭疾患、視覚異常、薬剤の副作用などが主に考えられます。

しかし、強いストレスや精神的緊張が持続することによって、自律神経が乱れたり、身体のバランス機能に影響が出ることがあります。

こうした状態は、「自律神経失調症」や「心因性めまい」などとして現れ、一時的に眼振のような症状を伴うことがあります。

特に、背景に明らかな神経疾患が見つからず、検査で異常がないにもかかわらず症状が続く場合、ストレスや心理的要因が関係している可能性があります。

また、ストレスがきっかけとなってメニエール病などの前庭障害を誘発・悪化させるケースもあり、このような病気では眼振とめまいが同時に現れるため、結果的にストレスが眼振に関与しているように見えることがあります。

したがって、大人の眼振でストレスが疑われる場合でも、まずは脳や内耳の器質的な異常を除外することが重要です。

必要に応じて、眼科、耳鼻科、神経内科での精密検査を受け、異常がないと判断された場合には、ストレスや心身の状態を見直すことも治療の一環となります。