眼振の原因や考えられる病気には何がありますか?

眼振の原因は多岐にわたり、先天性の眼振と後天性(全身疾患・脳疾患)のものに大別されます。

解説

眼振の原因は多岐にわたり、先天性のものと後天性のものに大別されます。

先天性眼振は、生まれつきまたは乳児期に発症し、原因が明らかでない「特発性眼振」のほか、白内障網膜色素変性症、白皮症、視神経低形成などの視覚障害に伴って生じる場合があります。

これらは視力の発達に影響を与えることがあり、早期の診断と視機能への対応が求められます。

一方、後天性眼振は、脳や内耳の異常、薬剤の副作用、全身性の代謝異常などが原因で発症します。

中枢神経系の疾患では、脳幹や小脳の障害(脳梗塞脳腫瘍脊髄小脳変性症多発性硬化症など)によって眼振が生じることがあります。

また、内耳や前庭神経に関連する疾患、たとえばメニエール病良性発作性頭位めまい症前庭神経炎などでも眼振が見られ、これらはめまいや平衡感覚の異常を伴うことが特徴です。

さらに、アルコール中毒や抗てんかん薬など、ビタミンB1欠乏によるウェルニッケ脳症などの代謝異常も眼振の原因となることがあります。

片眼の視力低下や視覚障害に対する代償的な眼振が生じることもあり、まれに遺伝性の神経疾患に伴って出現する場合もあります。

眼振は症状の一つであり、その背景にはさまざまな病気が潜んでいる可能性があります。

眼振が見られた場合は、眼科だけでなく、神経内科や耳鼻科での精密検査が必要となり、原因に応じた適切な診断と治療が重要です。

特に後天的に急に出現した眼振は、脳の重篤な疾患の兆候であることもあるため、早期の医療機関受診が推奨されます。

公開日

最終更新日

東北大学病院 眼科

山口 知暁 監修

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