細菌性胃腸炎
監修医師吉岡 藍子消化器内科
- 更新日
- 2026/07/09
- 公開日
- 2020/09/03
細菌性腸炎(食中毒)とは
胃腸に侵入した細菌によって下痢やはき気などの症状が出現します。サルモネラ菌、カンピロバクターなど夏に流行することが多いです。
「細菌性腸炎(食中毒)」とはどのような病気ですか?
口から入った細菌によって小腸や大腸の炎症が起き、腹痛や下痢、嘔吐などを引き起こす病気です。
細菌性腸炎(食中毒)とは、細菌が腸管に感染することで炎症が起こり、腹痛や下痢、嘔吐などを引き起こす病気です。
原因となる細菌としては、大腸菌やカンピロバクター、サルモネラなどが多いです。
感染経路としては、細菌や毒素の含まれる食品を摂取したり、食品や細菌に触れた手を介した経口感染で起こります。そのため、食中毒として起こることも多く、夏場に起きやすいです。
ノロウイルスなどによるウイルス性の腸炎よりも、腹痛や下痢症状が強く、発熱や血便が起こりやすいと言われています。また、ウイルス性の場合と異なり、小腸よりも大腸の炎症を起こしやすく、抗菌薬での治療が必要な場合もあります。
細菌性腸炎(食中毒)の症状
細菌性腸炎(食中毒)には初期症状はありますか?
特徴的な初期症状はありません。数時間から数日の潜伏期間の後、腹痛や下痢、嘔吐などが起こります。
細菌性腸炎(食中毒)は突然発症するため、予兆となるような初期症状はありません。
発症の経過としては、数時間から数日の潜伏期間の後、腹痛や下痢、嘔吐などが起こります。発熱や血便が見られることもあります。
症状の出方や潜伏期間は、原因となった細菌の種類によって異なります。
そのため、一定ではありませんが、典型的には嘔吐→腹痛→下痢の順番で症状が現れることが多いと言われています。
細菌性腸炎(食中毒)ではどのような症状がありますか?
腹痛や下痢や嘔吐が主な症状です。また、発熱や血便を伴うことも多いです。
細菌性腸炎(食中毒)の主な症状は以下が挙げられます。
腸炎はその原因によって、ウイルス性と細菌性に分けられます。
ウイルス性の腸炎では小腸の炎症を起こすことが多く、主な症状は水のような下痢(水様便)や嘔吐などです。
一方、細菌性腸炎では大腸の炎症を起こすことが多いと言われています。粘り気のある便や血便、発熱が見られる場合もあり、症状が強い傾向があります。
このように、細菌性腸炎ではウイルス性腸炎よりも腹痛や下痢の症状が強いのが特徴で、発熱や血便といった症状も細菌性の方が起こりやすいです。
細菌性腸炎(食中毒)の原因
細菌性腸炎(食中毒)の原因は何がありますか?
原因となる細菌が、食品や手などを介して口から入ることで起こります。
細菌性腸炎(食中毒)の原因は、原因となる細菌を口から摂取することです。いわゆる、経口感染で発症します。
具体的には、細菌を含んだ食品を食べたり、細菌に触れた手で触ったものを口にしたりすることで感染します。
場合によっては、細菌によって作られた毒素を摂取することで発症した腸炎も、細菌性腸炎に含める場合もあります。
原因となった食品によって、原因菌を推定することができることもあります。例えば、以下のような場合があります。
- 加熱不十分な鶏肉:カンピロバクター
- 卵や乳製品:サルモネラ
- 加熱不十分な牛肉:大腸菌
- おにぎりや弁当:黄色ブドウ球菌
- 魚介類:腸炎ビブリオ
細菌性腸炎(食中毒)の検査・診断
細菌性腸炎(食中毒)のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
以下の症状が出現した場合、細菌性腸炎(食中毒)の可能性があります。
また、1週間以内に火の通っていない肉や魚介類などの生物を食べている場合、傷んだり時間がたっている食べ物を食べている場合には、細菌性腸炎の可能性が上がります。同じような症状の人が周囲にいる場合も注意が必要です。
症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、無料で細菌性腸炎かどうかのセルフチェックができます。ぜひ、ご活用ください。
細菌性腸炎(食中毒)の治療・対処法
細菌性胃腸炎への対処法は?
症状の原因となっている細菌を早く胃腸から排出するため、下痢止めは使用しないでください。脱水に注意し、こまめに水分補給をしましょう。水分がとれない場合は病院を受診しましょう。吐物・排泄物から感染する恐れがあるため、直接触れないようにしましょう。
細菌性腸炎(食中毒)の場合、主にどのような治療をしますか?
基本的には整腸剤を飲み、自然回復を待ちますが、症状によっては点滴や抗菌薬を使用します。
細菌性腸炎(食中毒)の場合、基本的には自然回復を待ちます。
その際、整腸剤(腸の調子を整える薬)を併用した方が治りが早いというデータがあり、整腸剤を内服するケースが多いです。
下痢や嘔吐による水分喪失で脱水を起こしている場合は、点滴での水分補給が必要になる場合があります。
また、症状が強い場合や重症化のリスクがある場合(小児、高齢者、基礎疾患があるなど)は、抗菌薬による治療を行うことがあります。
点滴での治療が必要な場合や症状が強い場合は、入院での治療となることがあります。
受診の目安・何科を受診するべきか
細菌性腸炎(食中毒)が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?
嘔吐や下痢、発熱、腹痛、血便などの症状が出現した場合は、内科(できれば消化器内科)を受診しましょう。
細菌性腸炎(食中毒)を疑った場合には、内科(できれば消化器内科)を受診しましょう。
嘔吐や下痢、発熱、腹痛、血便などの症状が受診の目安です。
細菌性腸炎では基本的には自然回復を待つ形になりますが、場合によっては抗菌薬が必要であったり、脱水や症状が強い場合は入院での治療が必要な場合もあります。
また、同様の症状を起こす病気の中には、緊急で治療が必要な病気もあるため、早めに病院を受診しましょう。
細菌性胃腸炎の専門医がいる近くの病院はありますか?
細菌性胃腸炎の専門医がいる病院を見る細菌性腸炎(食中毒)に関連するその他の質問
細菌性腸炎(食中毒)になった場合、何日間休む必要がありますか?
仕事の場合、決まったルールはないため、適宜職場と相談してください。学生の場合は、症状改善が登校の目安です。
学生の場合
学生については、「学校保健安全法」という法律で休む期間が決められています。細菌性腸炎(食中毒)については「急性期の症状が改善して全身状態が良くなるまで」、特定の細菌(コレラや赤痢、チフスなど)によるものについては「医師が感染の恐れがないと認めるまで」となっています。
何日という決まりはありませんが、症状改善がひとつの登校の目安となります。
社会人の場合
仕事については、休む期間についての決まりはないため、休職が必要かどうかも含めて職場と相談してください。
細菌性腸炎(食中毒)はうつりますか?
はい。便や吐瀉物で汚染された場所に触れ、手に付着した菌を摂取してしまうことなどでうつります。
細菌性腸炎(食中毒)の感染経路は、経口感染(病原体が口から入ってくることによって感染する形式)が主体です。
細菌を含んだ食べ物を食べること以外にも、吐瀉物(感染した人の便や吐いたもの)で汚染された水や場所に触れ、手に付着した菌を口から摂取することでうつることもあります。
そのため、特に感染者の便や吐瀉物に汚染された場所に触れた後は、必ず手洗いや消毒を行いましょう。
また、肛門を使用した性行為などでもうつることがあります。
細菌性腸炎(食中毒)について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「細菌性胃腸炎」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 便がゆるいか、あるいは下痢をしていますか?
- 便の悪臭が強いですか?
- お腹の痛みがありますか?
- 体温は37.5℃以上ですか?
- 体のだるさはありますか?
細菌性腸炎(食中毒)に関連する病気・症状
このページを見ている人はこんな病気も見ています
このページを見ている人は他にどんな病気を見ていますか?
この記事の監修医師
吉岡 藍子
消化器内科・内科
消化器内科医の吉岡藍子と申します。 これまで大学病院や市中病院、健診センターでの内視鏡業務などを通して、消化器領域を幅広く経験してまいりました。 診療の現場では、専門的な用語や複雑な病状の説明に、患者様が戸惑いや不安を感じる場面に何度も出会いました。医療機関で提供される膨大な情報を前に、混乱されてしまう方も少なくありません。そこで、ご自身の病気や体、そして健康について、一人でも多くの方が正しく理解できる環境を作りたいという想いから、ユビーの活動に参加させていただいております。皆様が正しい医学知識に普段から触れ、安心してご自身の健康と向き合えるよう、分かりやすい情報提供に努めてまいります。 【経歴】 新潟大学医学部卒。 新潟県内外の市中病院、大学病院で勤務。 新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野にて博士取得。 2022年からユビーに入社し、横浜市で健診内視鏡診療を兼務。
- 更新日
- 2026/07/09
- 公開日
- 2020/09/03