線維性骨異形成症
監修医師阿部 吉倫内科
- 更新日
- 2023/01/25
- 公開日
- 2020/09/03
線維性骨異形成症とは
「線維性骨異形成症」とはどのような病気ですか?
骨がもろい線維性の組織に変化する良性腫瘍のひとつで、骨折や変形などの原因になります。
線維性骨異形成症とは、丈夫な骨が作られる過程で問題が起こり、未熟な骨(線維性骨組織)に置き換わってしまう病気です。この変化によって骨が弱くなり、次のような症状が出ることがあります。
- 骨折しやすくなる
- 骨の形が変形する
- 痛みが起こる
この病気は、全身のどの骨にも発生する可能性がありますが、特に大腿骨などの長い骨や肋骨、顔や頭の骨によく見られます。
病変がひとつの骨にだけできる「単骨性(たんこつせい)」の形と、複数の骨にできる「多骨性(たこつせい)」の形があり、単骨性のほうが多骨性よりも4~6倍ほど多いとされています。
この病気は、骨にできる良性腫瘍の約5~7%を占めると報告されています。症状がないまま画像検査で、偶然見つかることも多くあるような病気ですが、特に思春期前の小さなお子さんでは、進行が早いこともあるため注意が必要です。
線維性骨異形成症の症状
線維性骨異形成症には初期症状はありますか?
多くは初期に症状がなく、他の病気の検査で偶然発見されることも多い病気です。
線維性骨異形成症の多くは、特に病気の初期には症状が出ません。そのため、他の病気でレントゲンなどの画像検査の際に、偶然見つかることが多いとされています。
しかし、中には最初から痛みが目立つ場合や、骨のもろさのため、簡単な怪我で骨折する病的骨折がきっかけで診断されることもあります。特に、体重がかかる脚の骨などに病変がある場合では、疲労骨折による強い痛みが初期症状となることがあります。
多骨性病変の場合は症状が目立ちやすく、約60%の患者さんが10歳までに症状が出始めると報告されています。この場合の主な初期症状は、病変がある手足の痛みや、足を引きずるような歩き方(跛行:はこう)、そして軽い力で頻繁に生じる骨折などです。
線維性骨異形成症ではどのような症状がありますか?
骨の痛みや骨折、変形といった症状がみられます。手足や目、耳鼻の機能障害を生じる場合もあります。
線維性骨異形成症の症状は、病変がある骨の場所や、病気の広がり方によってさまざまです。一般的な症状としては、以下のものが挙げられます。
- 骨の痛み:特に太ももの骨のように、体重がかかる部分の骨に病変がある場合では、痛みを感じることがあります。骨に繰り返し負担がかかって起こる小さな骨折(疲労骨折)が原因で痛みが出ることも多いと考えられています。
- 病的骨折:骨がもろくなることで、通常なら骨折しないような軽い衝撃で骨折してしまうことがあります。
- 骨の変形:骨が曲がってしまう湾曲変形(わんきょくへんけい)が起こることがあります。
- 手足の機能障害:手足の動きが悪くなったり、歩き方がおかしくなったりすることがあります。
頭や顔の骨に病変がある場合では、以下のような症状が見られることがあります。
- 顔面骨の変形
- 目の症状:眼球が前に突き出したり(眼球突出)、位置がずれたり(眼球変位)することがあります。視神経が圧迫されると、視力低下を生じることもあります。
- 耳鼻の症状:聴力の障害や鼻づまり、嗅覚の障害などが起こる場合もあります。
線維性骨異形成症の原因
線維性骨異形成症の原因は何がありますか?
GNASという遺伝子の突然変異が原因で、骨の形成・修復に異常が起こるためです。
線維性骨異形成症の原因は、GNASという私たちの体の細胞にある遺伝子に突然変異が起こるためだと考えられています。この変異は、受精後の体の細胞で自然に起こるものなので、親から子に遺伝する病気ではありません。
GNAS遺伝子に変異が起こると、細胞内で「cAMP」という物質が異常に多く作られるようになります。このcAMPが増えすぎると、骨を作る細胞(骨芽細胞)の働きがおかしくなったり、骨を溶かす細胞(破骨細胞)の働きが活発になりすぎたりします。
その結果、未熟な骨が線維性の組織の中に混じり合った、不完全な骨が作られてしまい、正常な骨への置き換わりが、うまく進まなくなってしまうのです。
この遺伝子の変異が、体のどのくらいの範囲でいつ頃起こるかによって、病気が起こる骨の範囲や症状の重さが変わってくると考えられています。
線維性骨異形成症の検査・診断
線維性骨異形成症のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
この病気には、いくつかのチェック項目があります。日々の生活の中でご自身の体や、特にお子さんの成長や体に、次のような変化がないか、以下のような点に注意することが大切です。
- 手足の左右差や変形:手足の長さが違う、骨が曲がっている、骨が膨らんで見える
- 顔の変形:顔の形に左右差がある、目が片方突出している、骨が膨らんで見える
- 骨の痛み:運動後だけでなく、安静にしている時や夜間にも痛みがある
- 痛みの変化:以前より痛みが強くなってきた、痛む場所が増えた
- 思い当たる怪我もなく骨折する:日常の軽い動作で骨折したり、同じ場所を何度も骨折したりする場合
- 皮膚のあざ:胴体や手足の付け根に、縁がギザギザしたカフェオレ色のあざがある
- 成長の変化:お子さんに、通常より急な身長の伸びの加速がみられた場合や、女児で乳房の発達や月経がかなり早く始まった場合
これらの変化に気づいた場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、医師に相談してください。
また、症状検索エンジン「ユビー」で質問に沿って回答を進めるだけで、繊維性骨異形成症かどうかのセルフチェックができます。ぜひご活用ください。
線維性骨異形成症の治療・対処法
線維性骨異形成症では手術が必要ですか?
変形の矯正や機能の改善、骨折予防や治療のために必要となることがあります。
この病気のすべての方が、手術を必要とするわけではありません。特に症状のない単骨性病変の場合は、経過観察で十分なことが多いです。 しかし、次のような場合には、手術の必要性が検討されます。
- 骨の変形が進行する場合:特に脚の骨の変形(太ももやすねの骨)がひどくなり、歩行や関節機能に影響が出る場合。
- 骨折の危険性が高い場合:骨がもろくなり簡単に骨折してしまう場合や、骨折が起こりそうな状況で骨折を予防するため。
- 視力や聴力などの機能が損なわれる場合:顔や頭の骨の変形により、機能の障害を起こす場合や、顔の見た目の問題も手術の理由となることがあります。
- 骨折の回復に時間がかかっている場合:骨折した部位での不安定性が高いため、骨折の治癒に長期間を要している場合。
手術には、骨の形を整える矯正骨切り術や、骨を補強する髄内釘(ずいないてい)や、プレートでの固定術、病変を掻き出して骨を移植する掻把(そうは)骨移植術など、さまざまな方法があります。特に、全体重がかかる太ももの骨の病変では、歩行障害を長引かせないためにも、十分な固定性の得られる手術が必要となる場合があります。
手術の適応は、患者さんの年齢、病変の場所、大きさ、活動性などによって慎重に判断されます。また、若年者や多骨性の病変では、手術後に再発しやすい可能性があるため、注意が必要です。
線維性骨異形成症の場合、主にどのような治療をしますか?
無症状なら経過観察で済む場合があります。目立つ変形や骨折の場合には手術を検討します。
線維性骨異形成症の治療は、病変の範囲や症状、年齢によって異なります。
経過観察
症状がない単骨性病変の多くは、治療が必要にならず、定期的な診察で様子を見ることが多いです。特に、レントゲン検査などの画像検査で、この病気の特徴がはっきりしている場合は、すぐに生検(組織の一部を取って調べる検査)を行う必要は少ないとされています。
薬物療法
骨の痛みがある場合には、一般的な痛み止めの薬が使われます。また、骨粗鬆症の治療薬であるビスホスホネート製剤やデノスマブという薬剤が、痛みの軽減に役立つ可能性が報告されています。ただし、これらの薬が病気の進行を完全に止める効果があるかどうかは、まだはっきりしていません。
生活の注意
骨を強くするために、十分なカルシウムとビタミンDを摂ること、適度な運動、適切な体重を維持することも大切です。
一方で、以下のような重度の症状がある場合には、手術が検討されます。
- 骨の変形が目立つ場合
- 病的骨折を起こす可能性のある部位での骨折を予防するため
- 手足の機能障害を改善するため
- 顔や頭の骨の病変で、視力や聴力に影響が出ている場合
手術では、骨の形を整える骨切り術(こつきりじゅつ)や骨を補強する髄内釘(ずいないてい)やプレートによる固定術、病変を掻き出して骨を移植する方法などが行われます。これらの手術法や、そのリスクは病気の状況によって異なるため、十分に医師と相談することが重要です。
受診の目安・何科を受診するべきか
線維性骨異形成症が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?
骨の痛みや見た目の変化が見られる場合、病院の受診を検討しましょう。
この病気は、症状がない状態で偶然発見されることも多い病気ですが、次のような症状が見られる場合は、病院の受診を検討しましょう。
- 持続する骨の痛みがある場合:特に体重がかかる部分の痛みや、夜間の痛みがある場合には、この病気による骨折やほかの病気の可能性もあります。
- 手足の変形に気づいた場合:特に成長期のお子さんで、骨の曲がりや膨らみに気づいた場合は、診察を受けるようにしましょう。
- 軽い衝撃で骨折してしまった場合(病的骨折):通常の生活では骨折しにくい場所を骨折した場合や、思い当たるような大きな外傷がないのに骨折した場合は、この病気が原因で骨がもろくなっている可能性があります。
- 原因不明の足を引きずるような歩き方(跛行)がある場合:特にお子さんで気がついた場合は、早めに受診しましょう。
- 性早熟(女児で8歳未満での乳房の発達や月経、男児で9歳未満での二次性徴)などの内分泌系の変化が見られる場合
- 眼球突出や顔の変形などがみられる場合
特に小さなお子さんの場合、病気の進み方が早い場合があります。うまく自分の症状を表現できない場合も多く、注意が必要です。
線維性骨異形成症が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
整形外科を受診する場合が多いですが、部位や症状により、脳外科や耳鼻科の受診が必要となります。
線維性骨異形成症が、脚や腕の症状により疑われる場合は、まず骨の専門家である整形外科を受診することが一般的です。この病気は骨の病気であり、骨の変形や骨折、痛みが主な症状だからです。
しかし、この病気は全身のさまざまな部分に影響を及ぼす可能性があるため、病変の場所や症状に応じて、複数の専門科の医師が協力して診療にあたることが非常に重要です。
例えば、以下のような場合に、他の専門科の受診が推奨されます。
- 頭や顔の骨に病変がある場合:耳鼻咽喉科、脳神経外科、眼科、形成外科、口腔外科など。
- 内分泌系の異常(性早熟、甲状腺機能亢進など)がある場合:この病気では、骨以外の症状を伴う場合があります。代表的なものにホルモン分泌異常があります。この場合は、内分泌代謝内科での診療も必要となります。
- 悪性化の懸念がある場合:腫瘍内科。
このように、この病気の治療には、多くの専門家が連携する多職種連携医療が、とても重要であるとされています。
線維性骨異形成症の専門医がいる近くの病院はありますか?
線維性骨異形成症の専門医がいる病院を見る線維性骨異形成症の薬
線維性骨異形成症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
骨粗鬆症の治療薬が使われる場合がありますが、顎骨壊死などの可能性があります。
線維性骨異形成症の薬物治療は、骨の痛みを和らげる目的で行われます。 主に使われる薬は、以下の通りです。
ビスホスホネート製剤
- 効果:骨の破壊を抑える作用があり、痛みの軽減や骨折のリスクを減らす効果が報告されています。一部の患者さんでは、レントゲン画像上で骨病変が改善した例も報告されています。
- 副作用:一時的な発熱や全身の骨の痛みを生じることがあります。ほかには、ビスホスホネート製剤の使用により、顎の骨が壊死するリスクが指摘されています。治療開始前に歯科検診を受け、口の中を清潔に保つことが推奨されています。
抗RANKL抗体(デノスマブ)
- 効果:骨の破壊を強く抑える効果が期待されています。
- 副作用:血中のカルシウムが下がる、低Ca血症を生じる場合があります。ビタミンD製剤を併用することで、これを予防することがあります。
痛み止めの薬としては、アセトアミノフェンやトラマドールなどが使われます。これらは骨を強くする治療薬ではないため、根本的な作用ではありません。
対処法・セルフケア
線維性骨異形成症の場合、日常生活で気をつけることはありますか?
過度な病変への負担を避け、定期的な受診と症状の変化に注意しましょう。
線維性骨異形成症の患者さんが、日常生活で気をつけるべきことは、骨を健康に保ち、合併症を防ぐことにあります。 以下のような点に気をつけましょう。
栄養と骨の健康
- カルシウムとビタミンDの摂取:骨を強くするために、年齢に応じた十分なカルシウムとビタミンDを食事から摂ることが推奨されます。医師から指示があれば、サプリメントの利用も検討しましょう。
適度な運動と体重管理
- 適切な運動:骨を強くし、体の機能を維持するために、安全で適切な運動を続けることが大切です。医師や理学療法士のアドバイスを受けながら、体への負担が少ない運動を選ぶとよいでしょう。
- 健康的な体重の維持:骨への負担を減らすため、適切な体重を維持することも重要です。
避けるべき習慣
- 喫煙や飲酒:骨の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、避けるようにしましょう。
- 過度な衝撃や負担:病変のある骨に過度な衝撃や負担をかけることは、骨折のリスクを高めるため、注意が必要です。
- 口腔内の不衛生:特にビスホスホネート製剤を服用する場合、顎骨壊死のリスクを減らすため、口の中を清潔に保ち、定期的な歯科検診を受けることが重要です。
定期的な受診と症状の観察
- 定期的なフォローアップ:症状がなくても、病気の進行や合併症の有無を確認するために、定期的に医療機関を受診することが大切です。特に小さなお子さんは2年ごと、大人の場合は5年ごとの画像検査が少なくとも推奨されています。
- 症状の変化に注意:痛みの増加や新たな変形の出現、歩きにくさなど、体の異常に気づいたらすぐに医師に相談してください。特に夜間の痛みや急激な変化は、骨折や悪性化のサインである可能性もあるため、迅速な対応が必要です。
線維性骨異形成症で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
痛みの他の原因を再評価したうえで、別の薬剤を試すか、手術など別の治療法を検討します。
線維性骨異形成症の治療で、薬が十分に効かない場合、いくつかの対応が考えられます。
- 痛みの原因の再評価:まず、痛みの原因が本当にこの病気なのか、それとも他の病気によるものかを再確認します。そのうえで、この病気による夜間の痛みや局所的で急な痛みの場合には、疲労骨折などの骨折の可能性や、非常にまれですが悪性化の可能性も考慮して、CTやMRIなどの画像検査で詳しく調べることを検討します。
- 薬剤の変更や調整:現在使用している治療薬が効かない場合、別の種類の薬への変更を検討することがあります。例えば、ビスホスホネート製剤を使用中であれば、抗RANKL抗体へ変更するなどの可能性があります。
- 鎮痛薬の調整:骨の痛みに加えて、神経痛に特徴的な「焼けるような痛み」や「刺すような痛み」がある場合は、プレガバリンなどの神経の痛みに効く薬の使用を検討することもあります。
- 手術の検討:薬物療法で痛みが改善しない、変形が進行する、骨折を繰り返す、といった場合には手術が検討されます。骨の変形の矯正や、骨折の治療・予防のために、骨切り術や髄内釘などを用いた手術が行われることがあります。
線維性骨異形成症に関連するその他の質問
線維性骨異形成症が顔に出ることはありますか?
顔面や頭蓋骨に発生することも多く、見た目の変形や機能の障害を起こすことがあります。
この病気は顔や頭の骨に発生することが比較的よくあります。頭頸部領域への発生頻度は全体の約20%と報告されており、特に上顎骨(あごの上の骨)に約70%、下顎骨(あごの下の骨)に約20%発生するとされます。
顔や頭の骨に病変が生じた場合、次のような症状がみられる可能性があります。
顔の症状
- 顔面骨の変形:病変部を中心に顔の形が変わったり、左右差が生じたりすることがあります。
目の症状
- 眼球突出:眼球が前に突き出すことがあります。
- 眼球偏位(へんい):眼球の位置がずれることがあります。
- 視力の低下:視神経が圧迫され、視力が低下していくことがあります。
耳鼻の症状
顔面周囲に生じた病変の治療では、主に機能の温存(視力や聴力の維持)と、見た目の改善が目的となります。手術が必要になることもありますが、病変が再び大きくなるリスクや見た目の問題も考慮して、慎重に検討されます。
線維性骨異形成症は治る病気ですか?
基本的に完治は難しい病気ですが、年齢に伴い病気の進行が止まることが多いです。
この病気は、残念ながら病変が完全に元通りに治る(=完治する)病気ではありません。骨に生じた線維性の病変が正常な骨に置き換わることは、ほとんど、あるいは非常にゆっくりとしか起こらないとされています。 しかし、多くの単骨性病変は、骨の成長が終わる思春期以降になると、病変の活動が停止し、それ以上大きくならなくなると考えられています。
多骨性病変の場合でも、患者さんによっては症状が軽くて済み、ほとんど病気の影響を受けない人もいます。ただし、広範囲に病変がある場合や、マッカン・オルブライト症候群のように、他の臓器にも影響が出る場合などでは、成人後も変形が進行したり、骨折を繰り返したりすることがあります。
治療の目標は、病気の進行を完全に止めることではなく、痛みを管理すること、骨の変形や骨折を防ぎ、体の機能をできるだけ維持することにあります。 病気そのものを予防したり、進行を止めたりする治療法は、現在のところ確立されていません。そのため、長期的な経過観察と、症状に応じた治療を続けることが重要となります。
線維性骨異形成症が悪性化することはありますか?
非常にまれですが、悪性腫瘍(がん)に変化する可能性があります。
この病気は基本的に良性の病気ですが、ごくまれに悪性腫瘍(がん)に変化することがあります。この悪性化の発生率は、0.4%~4%と報告されており、非常に低い頻度です。
一方で、悪性化しやすいのは、次のようなケースです。
- 多骨性病変の場合:単骨性病変よりも、悪性化のリスクがやや高いとされています。
- マッカン・オルブライト症候群の場合:悪性化のリスクが高まると報告されています(約4%)。
- マザブロー症候群の場合:この症候群も悪性化のリスクが高いと考えられています(約8%)。
- 放射線治療を受けた既往がある場合:過去に放射線治療を受けた病変は、悪性化のリスクが増加すると言われています。そのため、線維性骨異形成症の方は、放射線治療を避けるべきとされています。
悪性化して発生する腫瘍の種類としては、骨肉腫(最も多い)、線維肉腫、軟骨肉腫、悪性線維性組織球腫などが報告されています。 悪性化のサインとしては、次のようなものに注意が必要です。
- 急激に痛みが強くなる:特に外傷がないのに痛みが急に増したり、痛みの性質が変わったりする場合。
- 病変が急に大きくなる:左右差や変形が目立つようになった場合。
このような変化に気づいた場合は、速やかに医療機関を受診し、CTやMRIなどの詳しい検査を受け、専門医に相談することが大切です。早期に診断することができれば、この病気が悪性化した腫瘍の予後は、他の同様の骨肉腫と同程度であるとされています。
線維性骨異形成症は難病指定されていますか?
令和7年現在、この病気は難病指定されていません。
この病気は難病の指定を受けていません。厚生労働省の専門家による審議会で検討され、条件をすべてを満たすと判断された疾病が、「指定難病」として公式に告示されます。2025年4月には、348の疾病が指定難病とされています。
この病気に似た名前の指定難病には「進行性骨化性線維異形成症」がありますが、これは異なる病気です。
線維性骨異形成症について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「線維性骨異形成症」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 皮ふに黒ずみがありますか?
- 背骨の痛みがありますか?
線維性骨異形成症に関連する病気・症状
この記事の監修医師
阿部 吉倫
内科
2015年東京大学医学部医学科卒。東京大学医学部付属病院、東京都健康長寿医療センターで初期研修を修了。血便を放置し48歳で亡くなった患者との出会いをきっかけにデータサイエンスの世界へ。2017年5月にUbie株式会社を共同創業。2019年12月より日本救急医学会救急AI研究活性化特別委員会委員。2020年 Forbes 30 Under 30 Asia Healthcare & Science部門選出。
- 更新日
- 2023/01/25
- 公開日
- 2020/09/03