ニコチン依存症は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

ニコチンの離脱症状を軽減する薬が用いられます。

解説

ニコチン依存症の薬物治療では、ニコチンガム(ニコチネルガムⓇなど)、ニコチンパッチ(ニコチネルTTSⓇ)、バレニクリン(チャンピックスⓇ)が用いられます。これらの薬を使用することで、ニコチンガムでは1.5倍、ニコチンパッチでは1.6倍、バレニクリンでは2.2倍、禁煙成功率を高めることができると報告されています。
それぞれの薬には、多少の効き方の違いやメリット・デメリット、向き・不向きがあります。どの薬が合っているかは、禁煙外来で医師と相談して決めることができます。

それぞれの主な副作用は以下の通りです。

ニコチンガム

一般的な副作用(頻度不明)

ニコチンパッチ

重大な副作用

アナフィラキシー様症状(頻度不明)

低血圧、脈が速くなる、息苦しさ蕁麻疹、むくみなどの症状が現れます。

その他の一般的な副作用(頻度:5%以上)

  • 皮膚の赤み
  • かゆみ
  • 不眠

バレニクリン

重大な副作用

皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(頻度不明)

発熱倦怠感などに加え、全身の皮膚や粘膜に水ぶくれやただれなどが生じます。

血管浮腫(頻度不明)

顔面、舌、唇、のどなどが腫れます。息苦しさが現れることがあります。

意識障害(頻度不明)

呼びかけへの反応が悪いなどの意識障害が現れることがあります。

肝機能障害、黄疸(頻度不明)

倦怠感、発熱、皮膚や白目が黄色くなるなどの症状が現れます。

その他の一般的な副作用(頻度:5%以上)

  • 不眠症(頻度:16.3%)
  • 変な夢をみる(頻度:13.0%)
  • 頭痛(頻度:11.6%)


使用中は、これらの副作用の発現に十分注意する必要があります。気になる症状があれば、すぐに専門家へご相談ください。

公開日

最終更新日

京都大学医学部附属病院呼吸器内科 呼吸器内科

渡邉 アヤ 監修

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(参考文献)

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