びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の予後について教えてください。

さまざまな要因に左右され、治療反応が良好な場合の5年生存率は約60%〜70%ですが、治療に反応しない場合や再発した場合の予後は悪くなります。

解説

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の予後(病気や治療の経過・結末についての見通し)は、多くの要因によって左右されます。以下に、DLBCLの予後に関するいくつかの重要な因子を挙げます。

一般的な予後

治療反応が良好な場合の5年生存率(診断から5年後に生存している方の割合)は約60%〜70%です。しかし、治療に反応しない場合や再発した場合の予後は悪くなります。

予後を左右する因子

年齢

高齢者(通常は60歳以上)では予後が悪い傾向があります。

病期

病気のステージ(病気の進行具合を示す分類)が進行している場合、予後は悪化します。

LDHレベル

病気の活発さを示す指標である血中の乳酸脱水素酵素(LDH)レベルが高い場合は、一般的に予後が悪いとされています。

遺伝的および分子生物学的特徴

がん細胞で見られる特定の遺伝子の変化(例えばBCL-2、MYCの転座)も予後を左右します。

治療応答と予後

初期治療後の完全寛解(CR:検査によって異常が全くみられなくなること)が予後の良い指標です。

また、以上のような因子をまとめたものとして、国際予後指数(IPI)があります。この指数は、年齢、LDHレベル、病期、全身状態、がんの体の中の広がりを考慮に入れたもので、高いスコアは予後が悪いことを示します。

公開日

最終更新日

名古屋大学病院 小児がん治療センター 血液内科

秋田 直洋 監修

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(参考文献)

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