メチルマロン酸血症の場合、主にどのような治療をしますか?
タンパク質制限とL-カルニチン補充が基本で、タイプによってビタミンB12を補充することもあります。
メチルマロン酸血症(メチルマロンさんけっしょう)の治療について、食事療法・薬物療法・急性増悪時の対応に分けて整理します。
メチルマロン酸血症の治療方針
慢性期の治療の基本は、タンパク質制限食とL-カルニチン(アミノ酸の一種)の補充です。加えて、ビタミンB12を補充すると効果が出やすいタイプかどうかによって薬物療法の内容が変わり、体調が急激に悪化した場合(代謝クライシスと呼ばれます)は緊急の対応が必要になります(日本先天代謝異常学会)。
メチルマロン酸血症の食事療法(タンパク質制限)
メチルマロン酸血症では、体内でうまく分解できないタンパク質(アミノ酸)の摂取量を制限する食事療法を行います。
- 自然に摂取するタンパク質量の目安:乳児期は体重1kgあたり2.0g/日、幼児期は1.5〜1.8g/日、学童期以降は1.0〜1.5g/日程度に制限します(日本先天代謝異常学会)
- 制限だけでは必要な栄養が不足するため、分解されにくいアミノ酸を除いた「除去ミルク」を併用します(小児慢性特定疾病情報センター)
メチルマロン酸血症とビタミンB12
メチルマロン酸血症には、ビタミンB12を補充すると症状の指標が改善しやすい「B12反応性」というタイプと、補充しても効果が乏しいタイプがあります。どちらのタイプに当たるかによって、その後継続する薬物療法の組み立てが変わってきます(日本先天代謝異常学会、難病情報センター)。
メチルマロン酸血症とL-カルニチン補充
L-カルニチンはアミノ酸の一種で、体内でエネルギーをつくる働きを助けています。メチルマロン酸血症では体内のL-カルニチンが不足しやすいため、タンパク質制限食と並んで、L-カルニチンを補充することが慢性期治療の基本のひとつとされています(小児慢性特定疾病情報センター)。
メチルマロン酸血症の急性増悪(代謝クライシス)時の対応
発熱や感染などをきっかけに体調が急激に悪化する状態を「急性増悪(代謝クライシス)」と呼びます。この場合は入院のうえ、次のような緊急対応が必要です。
- 絶食のうえ、ブドウ糖を含む輸液で十分なエネルギーを補給する
- 血液が酸性に傾く「代謝性アシドーシス」を薬剤で補正する
- 改善が乏しい場合は、血液を体外に通して有害な物質を取り除く血液浄化療法(持続的血液透析など)を行う
(日本先天代謝異常学会、難病情報センター)
体調の急激な悪化がみられる場合は、医療機関への受診をご検討ください。
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(参考文献)
日本先天代謝異常学会 診断基準策定委員会.“メチルマロン酸血症 診断基準 2014年12月19日版”..http://jsimd.net/pdf/guideline/07jsimd-Guidelinedraft.pdf,(参照 2026-10-15).
難病情報センター.“メチルマロン酸血症(指定難病246)概要”..https://www.nanbyou.or.jp/entry/4859,(参照 2026-10-15).
小児慢性特定疾病情報センター.“メチルマロン酸血症 概要”..https://www.shouman.jp/disease/details/08_02_023/,(参照 2026-10-15).
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埼玉医科大学総合医療センター 小児科
井上 信明 監修
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