メチルマロン酸血症で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?

タンパク制限食やL-カルニチン投与を行い、重症例では血液浄化療法や肝移植も検討されます。

メチルマロン酸血症でビタミンB12(薬)が効きにくい場合に行われる治療と、重症化した際の対応を整理します。

メチルマロン酸血症とは

メチルマロン酸血症は、生まれつき体内の酵素がうまく働かず、メチルマロン酸という物質がたまる病気です。新生児マススクリーニングで見つかる頻度は約1/12万人とされ、国内で最も多い有機酸代謝異常症(有機酸を分解できずたまる病気の総称)です(難病情報センター、小児慢性特定疾病情報センター)。

メチルマロン酸血症の症状

体調が急に悪化する「急性増悪」が起こることがあり、次のような状態がみられます。

  • 代謝性アシドーシス(血液が酸性に傾いた状態)
  • 高アンモニア血症(血液中のアンモニアが増えた状態)

こうした急性増悪が薬(ビタミンB12製剤)や食事療法だけで十分に改善しない場合、追加の治療が検討されます(日本小児科学会移行期医療委員会)。

メチルマロン酸血症でビタミンB12(薬)が効かない場合の対応

診断確定後は、ヒドロキソコバラミンなどのビタミンB12製剤を内服し、血中アシルカルニチン分析・尿中有機酸分析(血液・尿の成分を調べる検査)で効果を判定します(厚生労働省)。効かない(非反応性の)タイプとわかった場合は、次の対症療法を組み合わせます(日本小児科学会移行期医療委員会)。

  • タンパク制限食(体重1kgあたり1.5〜2.0gに抑えた食事)
  • L-カルニチン投与(血液中の遊離カルニチン濃度を保つ治療)
  • 腸内細菌がつくるプロピオン酸(体内でできる物質のひとつ)を抑える薬(メトロニダゾールなど)

急性増悪時にアシドーシスや高アンモニア血症の改善が乏しい場合は、持続血液透析(CHD/CHDF、血液中の老廃物を機械で取り除く治療)が行われます(日本小児科学会移行期医療委員会)。

メチルマロン酸血症が重症化するとどうなる?

早期発症の重症例では、生体肝移植(家族などから肝臓の一部を提供してもらう移植)が検討されます。移植後に食欲改善や入院頻度減少がみられる例もありますが、急性代謝不全や中枢神経(脳や脊髄)病変の進行が起こることもあります(厚生労働省、難病情報センター)。

腎機能低下は長期生存例で最も重大な問題のひとつで、末期腎不全に至ることもあります。腎機能が低下している例では肝移植の効果が乏しいため、腎移植単独、または肝腎同時移植が選択されます(日本小児科学会移行期医療委員会)。改善が乏しい場合や体調に変化がみられる場合は、早めに医療機関への受診をご検討ください。

メチルマロン酸血症について、特に知りたいことは何ですか?

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関連する病気と症状

(参考文献)

厚生労働省「246 メチルマロン酸血症」概要(指定難病情報)https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/001174980.pdf,(参照 2026-10-15).
難病情報センター.“メチルマロン酸血症(指定難病246)概要”..https://www.nanbyou.or.jp/entry/4859,(参照 2026-10-15).
小児慢性特定疾病情報センター.“メチルマロン酸血症 概要”..https://www.shouman.jp/disease/details/08_02_023/,(参照 2026-10-15).
日本先天代謝異常学会移行期医療委員会.“小児期発症疾患を有する患者の移行期医療に関するガイド:メチルマロン酸血症”.日本小児科学会.https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20240130_GL063.pdf,(参照 2026-10-15).

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埼玉医科大学総合医療センター 小児科

井上 信明 監修

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